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かんじんなことは、目に見えないんだよ 2020 J1リーグ第24節マリノス VS清水エスパルス プレビュー後編

※本稿は前編を見ていなくても楽しめるように作られた前後分断プレビューです。

今年の様な連戦の場合、試合日以外はリカバーが精一杯で、選手に何かを落とし込んだり、積み上げを行うには『試合で』が基本軸。
その中で、この3戦の流れというのは、いろいろな工夫を見せたし、成長も見られました。

これは、とても難しい事っすよ先輩!
フットボールが内包する『データ』や『戦術』とは、別の部分。
今、選手が見せてくれている成長は、そうしたものとして語られるべきだろう。それが見られるのは今だけかもしれないのです。
残りリーグ戦は半分の17試合、ホーム戦はルヴァンを入れても9試合です。私は刮目したい。心で。

さて、次節の相手はピーター率いる清水エスパルス。
なんだって?清水は上手くいってない?おいおい。

目に見えるものが真実とは限らない。cvボス
何が本当で、何が嘘か。cvピーター
ポジショナルプレーはJリーグを変えたのか。cvリージョ
パスは未来に出すべきか。cvベンゲル
ボールは本当に友達か。cv翼
コンフィデンスマンの世界へようこそ。cv全員

過密日程のこの2ヶ月の間に、リーグ戦2試合を行うのは対戦チームとしては勝ち易さはあると思っています。
プレビュー前編では、清水エスパルスさん側からすると厳しいことも書いたのですが、個人的には悪いとかダメだとかは思っておらず。
むしろ、やろうとしてる事、未来に向けて落としこもうとしている事を考えると、来シーズンに急に強くなってもおかしくないよなぁという見立てです。
なんなら、試合間隔が開き始める11月くらいから、清水は内容が変わってきても不思議ではない。
ただ今は、マリノスの選手にとっては、自信になる勝利を得たい。
ピーターには、目先の勝利に欲を出すなよと。そんな人物ではないのは百も承知ですが。

1,【ボスとピーター】

昨年までボスの下でコーチをしていたピーターは、ボスに劣らずのリアリストです。言葉としては合理的と言った方が良いかもしれません。
『信じる』という事を武器にする上で、この合理的・合理性といったものは切っても切れない要素です。
長くなるので、この話にこれ以上の文字を割くのは止めておきますけどね。

現在の戦い方の選択には、間違いなく明確な意図と理由があるでしょう。
縦に速くするのは何のためか?
WGが絞るのはどうしてか?
ポジションチェンジを行わないのは何故か?
嵌まらなくともプレスや即時奪回を続ける理由は?

マリノスサポーターは、エリク→ボスの流れを見ていたのならば、よく分かるのではないでしょうか?
本稿では、ごく一部分だけではありますが、そこに関して触れます。
でも本来は、一つ一つの意味を清水エスパルスのサポーターが見つけるべきものなので、無粋なプレビューにならない様に気を付けたいなと思います。

まぁ何が言いたいかと言えば、ピーターはやりたい事の全てをやっているわけでは無いが、それでもマリノスは前回対戦で3点を奪われているのだという事実。
反対に、4点取れていますがなというのも大きな事実。今回はそれ以上を目指したいし、あの試合以上に点差をつけて勝ちたい。
私達にとって、ピーターはそういう相手ですよね。

2,【ピーターのチーム作りに関する仮説】

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タイトルの通り、この段はもう仮説だけにしようかと思っています。今回のテーマは、『何が真実で何が嘘か分からない』なのでね。
だって完成図が分からないのだから、どういうチームの組み上げ方をしようとしているかの正解は、本人に聞かないと分かりませんよ。
なれば、たくさん妄想していきましょう。

では大枠から。
まず、清水エスパルスはポジションチェンジが少ないです。これはポジションチェンジによるリスクの回避をしているのでしょう。
ポジションが動けば、役割が変わり、選手に求められる質も変化します。
初期の段階からこんな事をしている場合ではありません。ポジションチェンジ後の守備の尻ぬぐいも考えないで良くなります。
まずは、オリジナルポジションの理解と、どういう配置になれば相手を崩せるのかの体感からです。

それでは攻撃。
縦に速く攻め、ビルドアップ隊と前線で役割が分かれています。

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前線はスペースを作って、隣の味方にそこを使ってもらうイメージですが、

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スペースが空いているならば、最初からそこを使います。ビルドアップ隊はボールの配給です。

ここは単純に考えて良いと思います。これが最終系なはずがありません。
まずは、空いているor空けたスペースに必ず走り込む事で、各配置で前進するための動きを、チームの攻撃の基礎にしようという意図でしょう。
この選択は、守備から入ると基礎工事としては楽なんですが、チームを攻撃的にはしにくくなります。ビルドアップ隊も成長しません。今年は、勝ち点を落としても問題はありません。現実的な話。

では、何故WGは絞るのか。
これは、前線の役割を与えられる選手同士の距離が遠い場合、攻撃の基礎になる空けたスペースを使うための移動距離も遠くなるからです。
絞る事で、ゴールに使い位置でスペースメイクが出来るというのも狙いでしょう。

じゃあ、サイドが空いていたら?
今度はそこを使い、誰も来なければフリーでお仕事。誰かがチェックに来れば、サイドを囮にして中央を攻略できます。

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まずはこれを徹底的に仕込む。連続性がないだけで、『動く』、『スペース空ける』、『使う』はポジションチェンジ(ローテーション等)の基礎です。

このセットのまま攻撃を行うと、空けたスペースは急いで使わなければならず、速い展開にどうしてもなり、陣形は縦に間延びします。
前後分断にならざるをえません。つまり、前後分断状態の事は許容していると思われます。

これで、最終ラインはリトリートになりがち。いや普通の事です。
こうなるとビルドアップ隊は、攻撃でもプレーの選択ミスをしてボールを失うと、致命的な状態が出来上がる事を理解します。それが今の状態に繋がっているのでしょう。

3,【清水エスパルスをどう攻略するよ】

と言うものの、実は今回は特段の攻略というのは考えていません。
だって、前後分断すると分かっているし、ハイライン同士だし、マリノス陣内にも、エスパルス陣内にも、最初からスペースがあるのだから。
しかも、DFはお互い食いつきやすい。
両チーム共にやりたいようにやる事が決まっています。

でも1つだけ注目して見たい事があります。それは、どれだけ前にそして中央に人数をかけられるかという点。

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そのために、マリノスがどんな工夫をしてくれるのか。
相手はプレスが嫌でしょうから、人数をかけるという部分を上手く使ってネガトラにも有効活用したい所です。
清水との差は、今はそこにあるんじゃないでしょうか。

4,【マリノスみんなのプレビュー】

ozaさんのメモ型プレビューはこちら。

前回のプレビューを参考にという事なので、こちらも。

前回対戦のプレビューには、エリキを使うなら内で。メモ型にもシャドーが有効の言及がありました。
私もそう思います。なので、スタメン希望はちょっと特殊な事をしました。ozaさんの前回プレビューにも書かれている考え方ですが、今回はより嵌まるのではと思います。

5,【最後に】

では、そのスタメン。前回同様に清水は予想、マリノスは希望で書いたスタメンです。

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左は高野が大外、エリキは内側、右は松ケンが内側、テルは外側。
アシンメトリーでもあり、3バックっぽくもあり、4バックでもある。松ケンは出れるのか?
そして、マルコス含めたIH(シャドー)2枚で、ライン間中央を破壊。大外では高野がズドンと上がり、テルは張っている。なんか継続性を感じませんか?ワクワクしませんか?見たい。

という事で、お送りしてきた後編。みんなのプレビューに参加いただいた方、ありがとうございました。

そろそろ勝ちたいぞと。
でも、きっと楽しい試合になるんじゃないでしょうか。
おっと、言い忘れてました。CHスタメン予想の2人。
セレッソ大阪戦でスタメン出場したナベちゃんとワーボーの活躍に刺激をもらっているんではないかな。この試合での動きが楽しみです。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

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