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穏やかな海は良い船乗りを育てない。2020 J1リーグ第26節マリノス VS湘南ベルマーレ プレビュー後編

※本稿は前編を見ていなくても楽しめるように作られた前後分断プレビューです。

前節から日数がだいぶ経った印象がありますが、
皆さん、お元気ですか?(cv井上陽水)

セフィーロを思い出しますね。
『くうねるあそぶ』、とても大事。
選手もリフレッシュ出来たでしょうか。

ここからは何度目かの連戦。水土水の3連戦です。ACLに連れていくメンバーは、この3連戦のどこかで試合に出る事になるでしょうか。

次の対戦相手は、湘南ベルマーレ。
前編でも書きましたが、ボールを繋ぐ印象は薄れ、2CFや2WBへのフィードが主だった攻撃に変わりました。ここ4戦は2勝2分けで負けなし。
それでは、プレビュー後編!

1,【今シーズンの難しさ】

本項は、湘南ベルマーレの話というよりも、いろんなチームに関係する話になってしまっています。

今シーズンは新しい事をやるには本当に難しい。
降格のないシーズンだから、下位にいるチームは育成に振り切ったら?
チームを新しく作るには打ってつけなんじゃないか?
なんて思う方もいるでしょう。
それは一面、正しいと思います。
現に、若手選手の出場機会は多くなっている印象です。

しかし、監督のやり方を含めたクラブの方向性を、来年以降も継続させようとするならば、負け続ける事は信頼を失う事に繋がります。それが勝負の世の常。
降格するしないは関係ないのです。

サポーターだけではなく、フロント、選手も同様です。
結果が出なければ、スポンサーからは注目されず、来季の編成は苦しくなり、選手の価値も下がる可能性があります。
なので、ある程度の結果を出しつつ、希望を持てる形や理念を見せないといけない。

うん、本当に新しい事をやるには難しいシーズン。
多くのチームで同じような事が起きているでしょう。耳の痛い話です。
全てのチームにおいて、再開5試合で良い結果を得ていたら、現在の結果は大きく変わっていたでしょう。それほど、入口が大事だったシーズンだと思います。ただどのチームも、荒波にもまれたから生まれた事もあるのではないでしょうか。

この様な流れが今シーズンはあるので、シーズン序盤で後方から繋ぐ意識を持っていた湘南ベルマーレにおいても、結果が出ないならば、原点に戻ろうとするのは至極当然の流れです。
いつから、『湘南スタイル』に戻ったのかは、追えていないのですが。この追えなさも今シーズン特有ですね。

2,【原点回帰で生きるサイド攻撃】

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サマリーマップにある通り、守備で引くところは引き、相手の矢印がマイナスに向いたらプレスをかけ、攻撃ではシンプルな攻撃を第一選択に持ってきた事で、WBを起点にした攻撃が作れるようになっています。

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遅攻で中央にこだわり過ぎると、簡単にボールを失いピンチを迎えるシーンは今でもありますが、後方の選手にとっては、シンプルな攻撃を主体にしていいよと言われると、気持ちとしてはだいぶ楽になっているはずです。

また、最近出ている畑・田中・舘が素晴らしく、怪我の功名というか2CFがタリクと指宿のコンビになり、どちらかがビルドアップに降りるなど、やる事が整理されたのも、ここ最近で勝ち点を奪えるようになった要因ではないでしょうか。

という感じで、攻撃の道筋は見えて来ました。
反対に守備は人数をかけて守り切る奪いきるという気概を持っていますが、狙える部分はありそうです。

3,【湘南ベルマーレをどう攻略するよ】

まず、湘南ベルマーレの攻撃に対しては、前述の通りなので分かりやすいです。こちらの選択肢は、出し手か受け手かという良くある問題集。
今回は、前から行くのも大事ですが、まず捕まえるべきはWBかなと。

ここで出てくるのは、WBを誰が見るのか問題です。
WGで見るとマリノスのSBが浮く形になり、そのまま中央を捕まえに行きすぎると真ん中は怖いです。

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SBが絞って対応すれば、そこにWBが走るでしょう。あとは、WGのリソースを低い位置では使いたくない。

じゃあ、SBで見れば良いやとなると、綺麗に当てはまりはします。ただ、WBが低い位置取りをしたら、それにくっついて行くとSBの裏はスペースだらけ。

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こうなると、CBにオフサイドラインのコントロールを頑張って貰うしかありません。

悩ましいですね。
でも、低い位置のWBは放っておけば良いのではないでしょうか。
その位置ならWGがスライドで捕まえられる可能性があります。どちらかと言えば、マリノスが意識すべきなのは縦にコンパクトにする事。その守備の為の攻撃をする事かなと思います。
個人的には、縦にコンパクトにして、追い込み漁の如くWBを低い位置におびき寄せ、WGとSBで挟むというのが見たいんですけどね。

この湘南のWBのポジション取りは、試合のポイントになるでしょう。

あとは、真ん中は噛み合わせのまま捕まえておけば、湘南は2CFをターゲットにフィードをせざるを得ません。ここで大事なのは、セカンドボールの回収。

これも潰れせれば、地上戦で中央の密集を抜けていく事を湘南は強いられるので、中央は奪われてピンチになる湘南の傾向を突く事が出来ます。
一つずつやりたい事を捥いでいけるかがポイントでしょう。

続いて、湘南ベルマーレの守備に対しては、まずはハイプレスをどうするかです。中10日と休養が十分にあったので、ベルマーレは元気な状態でしょう。鹿島の様なハイプレスをやってくる事が想定されます。

困ったらサントス!の様に、ボールの逃がしどころを共通で設定すれば、そこまで恐がる必要もないのですが、やっぱり即興的な立ち位置とパス&ムーブですり抜けたいですよね。
もう私はずっと、これがどんな相手にも出来るようになるのを見守っています。出来て欲しい。

続いてブロック時ですが、一番穴になりそうなのはここです。
湘南の守備はサイドが狩場です。外に展開すると、中盤3枚がスライドするかWBが出てくるかですが、WGがサイドに張っていれば、湘南のWBには蓋がされています。
この時に、低いサイドの位置でボールを持ったら、必ず3枚がスライドしてきます。ここを狙います。

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分かりやすくサイドを入り口にしていますが、これは中央攻略です。良い状態になるまで、何度もやり直して構いません。湘南の最終ラインは勿体ない守備なので。

CH(1CH2IH )の脇に侵入出来たら、そこからはスピードを上げます。
左右のCBを釣りだして、その裏を狙います。

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これはいつも通りですね。

または、敢えてWBに蓋をせずに、サイドから丁寧に攻略していくか。

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これ以外にもサイド攻略のパターンはありますが、一枚ずつブロックを剥がすのは同じです。
マリノスは無理くりこの形に持って行くので、このタイプの攻略の方がたくさん見られるかもしれません。
どちらかと言えば、マリノスの強みを使いたいやり方と言えます。反対に前述の中央攻略は、湘南の弱みを使うやり方とも言えます。

どちらにせよ、守備ブロックは攻略し甲斐があります。
これでサイドで狩るのを湘南がやめて、中央封鎖をし、低い位置のサイドを放置して来たら・・・不甲斐なし!!穴があったら入りたい。
まぁその時は、今の状態だと苦しいですが、サイドを丁寧にと言ったやり方でサイドに人数をかけて突破せざるを得ないでしょう。

と色々書きはしましたが、『湘南スタイル』で気を付けるのは、やはりハイプレスかなと。鹿島戦の延長でもあるので、思考の整理がされているかを見るポイントになると思います。この試合は、ここでこそ上回りたい。

4,【マリノスみんなのプレビュー】

今回もozaさんのメモ型プレビューが出されています。
ozaさんはブロック時の攻略は外から派。畑の特徴を使って、マリノスの良さを出したいというイメージでしょうか。でも真ん中は疲れさせてという狙い。

サマリーマップにも書いていますが、IHのポジションはCBを捕まえにも来るので、縦に横に揺さぶりたいですからね。

5,【最後に】

さて、スタメン。

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もう、どちらも分かりませんよ(笑)
怪我明けの選手はかなり慎重に使うと思います。
ティーラトンを予想していますが、ヨコエクを見る限りだと左SBは小池かな。

という事で、お送りしてきた後編。『マリノスみんなのプレビュー』に参加いただいた皆様ありがとうございました。

日数が空いたので、鹿島戦よりもだいぶ回復はしていると思いますが、キレが戻るのはもう少し先かと思います。
選手がどうしたいと思い、何を継続し何を変化させたか。それを、自信を持ってACLに望めるものとして、この3連戦で昇華させたい。その1戦目。
いざ尋常に。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

失礼しま~す(cv井上陽水)

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