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吾々は包囲の危機にあるのではない。敵を各個撃破する好機にあるのだ  2020 J1リーグ第17節マリノス VSサガン鳥栖 プレビュー後編

※本稿は前編を見ていなくても楽しめるように作られた前後分断プレビューです。

勝つ事でしか得られない『自信』。やってみなければ得られない『経験』。この2つを持って次の戦いに臨めるのはとても大きい。そんな前節。
そして、アシストやゴールという結果を手にした選手が、同ポジションの選手に刺激を与えられた事も、次に繋がる積み上げ要素になります。

中2日のスケジュール。その刺激を受けた選手達は、次戦でのスタメンになる可能性が高いでしょう。とても楽しみです。

その次節の相手はサガン鳥栖。
コロナ感染の影響もあり、マリノスより消化試合が5試合少ないです。
ただ、活動を再開した後は2勝1分1敗と悪くない結果。
プレビュー前編でも少し書きましたが、攻撃的で好感が持てます。
では早速、見ていきましょう。

1,【育成から鳥栖を体現させたキムミョンヒ監督】

まぁ、このチームはとにかく若いです。

キムミョンヒ監督は育成出身ですからね、教え子を積極器用してきますし、大卒もしっかり見ているなぁという印象で、獲得しています。

私のスタメン予想でも、5人はこの2年で入団した高卒または大卒の選手です。場合によっては7人までそれが増加します。
この内、育成出身は5人中だと3人。7人中だと5人です。J1リーグの舞台で、新卒1,2年目の育成出身者が、ここまでコンスタントに試合に出ているチームはかなり珍しいです。

鳥栖の育成の素晴らしさは、キムミョンヒ監督が育成に携わってからのものです。では、何を育成に浸透させたか。
それは当時、鳥栖のサッカーと言われていた『ハードワーク』そのものです。

鳥栖にとって、運動量は前提であり当たり前の事、というのが共通理解として選手に備わっています。実に戦えるチームですね。

それを前提に、何か光るものがある選手を昇格させています。
J1に昇格後、最も成果を出したあのユンジョンファン体制の考え方をベースに、+αを育成でも追及してきた結果が今であり、守備的→攻撃的へと転化させようとしています。
その現大将が、育成を組み上げたキムミョンヒ監督だというのは、ドラマ性を感じますね。

真面目か!
でも、これは書きたかったからいいや。
むしろ、これを書けたから満足している。

2,【そのチーム狂暴につき】

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このサマリーマップには、前段で説明したハードワークに関しては記載していません。何故か?
すでにその部分は、リーグにとっても当然になりつつあるからです。
なので、心配なされるなマリノスサポーターの皆さん。
その練度はマリノスの方が上だと思っています。
ただし、チームの攻撃性はかなり厄介です。それは攻守において。

まずは攻撃、特徴的なのは前に人数をかけようという考え方です。

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前線は前後左右に動き、マークの混乱とボールの出口を生みだします。
個人的には、攻撃極振りで来られた方が面倒くさいなって思うので、両SBが上がってきた方が、マリノスが4バックだろうと5バックだろうと対応しづらいです。

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でも、鳥栖がこのやり方をすれば、マリノスのカウンター=ピンチなので、余程点を取りたい時でなければやらないでしょう。これで来るなら、殴り合おうじゃないか。

そして、前節鳥栖は3バックの札幌に対して、鳥栖も3バックで挑みました。
残念ながら前から嵌められやすくなり、攻撃で上手くいかず後半で4バックに戻しています。
今後もオプションとして考える。とキムミョンヒ監督は言っていますが、本当にオプションならばマリノス戦では使わないでしょう。

どんな形にせよ、前に人数をかけてきますので、まともに受けない様にしたいです。

守備で見せる攻撃性はプレスの仕方ですね。
もう、何回かやられているので、いまさら説明する必要はないのかもしれませんが、罠を張るプレスです。

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狙いはシンプル。奪ったらショートカウンターです。
この守備の仕方で心配なのは、怪我なんですよね。ガツンと来ますので。

さて、ここまで理解していれば、攻略に進めるでしょう。

3, 【サガン鳥栖をどう攻略するよ】

サガン鳥栖が攻撃で前に人数をかけてくるならば、こちらも守備で前から行く事になります。

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鳥栖のSB(WB)と小屋松には、マリノスのWB(SB)が対応しに行くでしょうし、3枚ビルドには3枚があたり、CHにはCHが当たる。
なんという事でしょう。実に個VS個の趣です。とても分かりやすい。

これはプレスされた時も同じで、プレス対策の2つの内1つはマークマンを躱すなのですが、プレスで潰されれば相手のチャンスで、剥がせればマリノスのチャンスになります。ここも、個VS個ですね。

では、もう一つの対策ですが、これはまぁ、少し卑怯です。
それは、相手のプレスの枚数以上に人数を掛けてビルドアップをする方法です。マークするターゲットが離れすぎると、ついて行かないという鳥栖の守備性質を使わせてもらいます。マルコス、よろしゅう。

これが出来ると、引いてくれます。完全にブロックへ移行。

じゃあ、そのブロックをどう崩すかですが…。

今度は、反対に意識させてマッチアップのスイッチを入れれば、食いついてくれるようになる。というこれまた鳥栖の守備の特質を使います。
鳥栖が4バックならばこれ

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念のため、3バックならばこれ

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これらが空きやすいです。ここは、CBやCHのスライドで対応してくるでしょうが、そうすると中央が空きますね。
そこは、マルコスさんの出番です。彼の光り輝く要素が満載な試合だと思います。

簡易的に言ってしまえば、

・個VS個
・スペースメイク

これがこの試合の勝利への鍵です!
どんな試合も大体そう。

4,【マリノスみんなのプレビュー】

今回もozaさんが書かれています。

やはり個VS個だよね。攻守ともに。
ほら、間違ってない!

5,【最後に】

では、スタメン。

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鳥栖は4バックに戻すのではないでしょうか。メンバーの攻撃性を発揮するなら、この形の方が破壊力は増します。マリノスの3枚ビルドにはCF2枚で対応。奪う地点をどこに持ってくるかで、相手のポジショニングが変わりそうですね。

鳥栖が3バックで来たら、バトルものマンガですね。というか、聖闘士星矢ですね。ワンピースや鬼滅もそうか。
どこも1対1なので、それはそれで見たくもありますが。

マリノスは継続しているので、3バックでしょう。反対にここで4バックにしたら、ボスは相当な策士ですよ。
もう仕方ないよ、再び喜田さんに頑張ってもらわないとなりません。

という事で、お送りしてきた後編。みんなのプレビューに参加いただいた方、ありがとうございました。

清水戦から続く個の勝負。勝てば、ヨッシャー!
という戦いになること必至です。
あなたの推しのバトルを見届けましょう。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

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