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『はじめに攻撃ありき』 2020 J1リーグ第16節マリノス VS セレッソ大阪 リハビリ的プレビュー

まだ16節ではありますが、マリノスは既に29節を消化しているので、折り返しです。J1リーグ戦。

まさかの3バックだった前節。いや、シーズン前にも3バックあるって言ってたので、まさかではないんですけどね。
負けてしまいましたが、442ベースの相手には有効ですし、今後もオプションになるでしょう。

という事で、今回も442が相手です。
しかも、お手本の様な442のセレッソ大阪。

1,【ノントランジションな世界】

ロティーナ監督の特徴が、今年は如実にあらわれているC大阪。
ひと言で表現するならば、

「ノントランジション」

圧倒的なSF感。
ロティーナ監督の新作映画、日産スタジアムで9月13日公開!的な?
うん、フットボール界の中でこんな言葉はありませんね。
私が勝手に作っている言葉なので、覚えても無駄です。

皆さんご存知の様に、サッカーには攻守の切り替え(トランジション)というのがあるわけですが、この切り替えを滑らかにする事で、攻守一体というのを目指すチームは非常に増えました。
いや、そんなものは昔からあったわけなので、少々語弊のある表現かもしれませんね。

ロティーナ監督はこの切り替えを極力なくす事で、切り替えの時のカオスを制御し、秩序を作らんとします。そう!彼はロウヒーローです。
うん、まだSF感を引きずっているな。。。
まぁ、イメージとしては、カバディとかアメフトの様に攻守を分けてしまえば、選手の負担は少なくなるだろうという事です。理路整然としてます。

そのため、本当の意味での全員守備を完遂させますし、無理めなカウンターはしません。
攻撃もしっかりと選手を配置し、整えてから相手守備の攻略に入るのが特徴です。
攻撃はイバンコーチの役割ですから、本当にロティーナ監督とのコンビは凶悪です。

2,【セレッソ大阪の鉄壁ゾーンDFと適切配置のオフェンス】

守備の安定を得るために選んだのは442のゾーンDF。鉄壁なゾーンDFです。ひとりを抜いても適切な距離に選手が配置されているので、すぐ次の選手がいます。
要はコンパクトです。あれですか?魔法少女でも作る気ですか?

押し込まれたらコンパクトなままゾーンDFを展開するので、相手にゴール前にボールを運ばれる事は多いのですが、そんなものは許容しています。
ゾーンを破られてはいないし、ゾーンの外からシュートを打たれても、クロスを上げられても得点の可能性は低い配置を実現しています。

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それで失点するなら、相手がスーパーだという割り切りもあります。
むしろ、ある程度の高さのサイドへの侵入は許容しています。
でもサイドにボールを運ばれたら、トライアングルで囲みます。

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この状態で孤立させ奪いきるか、無理めにクロスをさせています。
クロス先の対応も完璧な配置を作っています。
相手もバカではないので、少し下げたり大外からクロスを上げていますが、この時の配置も素晴らしく、CFがチェックに行くので、ほぼ上げ損です。

この全員守備で地味に光るのはCFです。彼らは相手CHへの蓋にもなるし、プレスの役割もあるし、押し込まれたら遠方のクロッサーへのチェックもあるし、他にも色々やらされています。
もう、あれですかね。痛いのは嫌なので・・・的な考えですかね。

攻撃も人の配置が全てです。
無理はしない事が前提なので、常に正しい選択を行うために、体の向き、ボールの置き位置、パスコースの作り方、選択肢の取り方が優秀です。
いえ、これが出来ないと使わないのでしょう。
これが出来ると、選手は時間的な余裕が生まれやすいので、相手が○○してきたら✖✖しようという対応力と柔軟性が高くなるという効果もあります。
例えば、マンツーマンでゴリっと守備に行くとレイオフで簡単にいなして来たりね。

配置の基本は442を攻撃に移行した244のイメージですが、これをあまり崩したくないので、人の移動も最小限。
両SHの片方が中へ、片方が外へ、中へ入った側のSBがSHの位置へ。これくらいです。

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マリノスと同じ最終局面の235になっているのが分かると思います。
この時の選手の特徴としても、清武がインサイド、坂元がアウトサイドの立ち位置です。
坂元サイドの松田も縦の意識が強いですが、坂元とともに大外にいる事が多いです。松田はGKからのターゲットとか、ビルドアップの抜け道とかにもなっていますね。

CF2枚は横スライドメインで、清武はその一列下のハブ役。CFは降りてきていいのですが、最終局面には必ず顔を出す事を求められてそうです。

前述の様に、攻撃は個人レベルで優秀なので、相手のボックスから前を出来るだけ引き出すという事をやります。引き出してパスの繰り返しですね、しかも安全に。これだけで相手は崩れます。
また、守備を考えてボールを失っていい場所と、ダメな場所の共有がされているのも面倒です。

他に印象的だったのは、右SHの坂元。このドリブラーはかなり気を付けねばなりません。歩数多くね?あっ、褒めています。
切り替えしなんて、縮地っぽい動きが出来ています。軸足の抜き方が素晴らしい。

3,【セレッソの攻略どうするよ】

まず、守備の攻略ですが、サイドまではボールを運べると思います。何をしなくとも。

ただ、この状態ですと相手は余裕をもってトライアングルを組むので、少し工夫をしましょう。
3バックでも4バックでも3枚ビルドアップの方が良いと思います。何故なら、セレッソのSHを引き出せるから。

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上手く配置出来ればSBも釣れますが、かなり難しそうなので、SH裏を起点にして、ゾーンを攻略するパスまたはクロスを出します。こういうのを入れたいところ。

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多少無理してでもバイタルに入れて、局所破壊が1番可能性が高そうだけど、これをやるには、マリノスはCFの周りを動き回る選手が必要になるのですよね。虎穴に入らずんば虎子を得ずです。
だから、中盤逆三角形のフォーメーションで図を書いてます。

後はちゃんとしたクロスを上げるなら、ハーフスペースからのファーサイドです。

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CFがブロックに来ますが、常にチェック出来るほどスーパーなCFはいません。大外→HSでクロスを上げて、受け手はゾーンの外から斜めに入ってくる事で相手は捕まえられません。
いやぁ、苦しいね。これくらいの手段しか思い付かないよ。

後は、自然発生するトランジションは、そのまま使いたいです。これは一番大事かも。ロティーナ監督が最も嫌がるのはここですからね。おそらく、最もチャンスを作れるのも、このトランジションになりそうです。

マリノスの守備は、もう前から行くでしょう。
セレッソの余裕を奪う強度を見せなければなりません。攻撃に繋げるには、CHよりも前で奪いたいところです。キムジンヒョンのゴールキックはプレスを無効化しようとするので、GKからボールが出てから嵌めた方が良いです。

4,【最後に】

スタメンは、セレッソは予想ですが、マリノスは希望です。松ケンがいるなら3バック。

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右CBにマツケンを使いたい。セレッソは中央に蓋をしたいのだから、中央なんていらないという攻撃的な布陣。
守備時のキムジンヒョンのロングボールには、インサイドWBに頑張って貰うしかない。

最初から相手をカオスに引きずり込む、スクランブルだ。
WGが外切り出来るようになると、IHを下げられるんだけどね。

そして、松ケンがいないなら、4バック。

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畠中のCH起用も見たいけど。。
この2パターンは共に、前述の局所破壊のための布陣で、中央を封鎖するゾーンならば、サイドと最終ライン攻略にこだわろうというものです。

ボスには、攻撃的な姿を思い出させたいという思いもあるでしょう。だからこそ、前進するための方法を整備したい。そして、マリノスが、今の選手達が442のゾーンを破るところを、単純に見たいです。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

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