『三体』劉慈欣、2019年

アメリカのオバマさんが面白かったと言うほどなのか、だからこそなのか、非常に売れているらしいSF小説。
SFを滅多に読まない人間でも面白く読めた。
むしろ、話の始まりが「文化大革命」なことで特に話に入り込めた。私は文化大革命がこの世で一番怖い。家族も敵になるかもしれない位に人を信用できない、勉強をするインテリほど罪が重い、残虐されても文句の言い先がないって、すごい世界。こんなことが起きたことも包摂して暮らす中国人ってすごい大人。これに比べると日本人が甘っ子と見られるのも仕方ないと思う。
自分はハードな大人になれないし、なりたくもないけど、そういう世界があるという意識は持っていたい。
文化大革命という背景を除いたSF的ストーリーについても、エンターテイメントとしてよくできてる。そして、物理が分かったらもっと面白いんだろうと羨ましくなる。ほんと物理が分かると世の中の見え方がどんなに違って、どんなに面白いだろうと思う今日この頃である。
中学生や高校生の頃に「勉強して何になる」って尾崎豊みたいな気分になるのって、そもそも勉強で得た知識教養は自分の楽しみになるはずなのに、子供の時にそれを理解する時間的余裕がないからだとしたらもったいなかったなぁと思う。
それはさておき、まだⅡ上下、Ⅲ上下、あと4冊残っている幸せよ。
#Book

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