令和の歳時記 ヤマガラ
ヤマガラを漢字で書くと『山雀』となる。字義通り山に棲むスズメの仲間である。大きさもスズメ同様14センチ位。
しかし身体の模様は茶色いスズメと違って非常に美しい。頭部は黒く、後頭部、額から頬、喉の一部はクリーム色。
背と腹は赤褐色、尾は青灰色で黒い帽子と赤褐色のチョッキを着ているようである。ヤマガラは一年中見られる。
春先や夏はチョウやガの幼虫を食べて過ごしている。獲物を捕らえた時、ヤマガラは左右の足のどちらか一方で押さえ付ける。
それで右利きか左利きか見分ける事ができる。秋にはドングリなどの木の実を枝の割れ目や朽ち木に蓄える習性をもっている。
しかもつがいで生活する事でも有名だ。鳴きかたは「シーシーシー」と甲高い声で鳴きながら小枝を敏捷に動きまわり、時には、「ツツ、ニィーニィー」と鼻にかかったような声で鳴く。
これは、鳥同士が普段のコミュニケーションに使う「地鳴き」と呼ばれる声である。
また繁殖期は『縄張り宣言』と呼ばれるさえずりで「ツツピン、ツツピン」と透き通ったゆっくりしたメロディーで鳴く。聞いていて心地よい。
繁殖期は非常に警戒心が強く樹上の高い場所にいるが、今の季節はエサ不足のせいか低い木立ちの中をせっせと飛び回っている。
このヤマガラとの会話を楽しむには冬が一番だ。餌付けするチャンスが今なのである。森に通って最初は木の根っこ辺りにひまわりの種をまいて置く。
何日か森へ通うと我々の手の平に置いたエサを食べに来る。そして手の平に乗ってさえずりながらエサを頬張る。ヤマガラの人懐っこくて優しい感触を脳で味わえる瞬間だ。
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