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小説「出会いなおし/森絵都」の感想

森絵都さんの作品が本当に好き。
第1にめちゃくちゃ読みやすい。
スルスルと読めて情景が目に浮かぶ。
そんな中にハッとするような言葉が散りばめられている。メモしてずっと眺めていたくなる。

そして森絵都さんの作品に出てくる人物はとても魅力的だ。
とにかく「多面的」な性質で、キャラクターという枠にはまらずに意外性を持つ。ギャップに弱い私としてはホントたまらない。

さらに森絵都さんのユーモア、すごく好きだ。シリアスになりそうな場面でも、クスッとするような、ツッコミ所を描いてくれたりする。そこで、現実世界じゃなく物語なんだよーと俯瞰させてくれる効果もある気がする。

それでいて心理描写が巧みすぎて、心が共鳴して震えだし、作品の終わりにはいつも感情が昂って涙目になりそうになる。凄すぎる。

短編集はいくつか読んだくらいだけど、もしかしたら本作が1番好きかもしれない。

以外ネタバレ含みます。
(出先で読んだためタイトルや順番が違う可能性あります。特にカブ…)

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「出会いなおし」
変わった自分を見て欲しかった人…その人もまた変わってしまっていた。そこには恋心とはまた違った「人としての面白さ」があり、変わらないものへの愛おしさもある。

「カブとセロリの塩昆布サラダ」
共感相手のいないもどかしさ。2口目も食べてくれてありがとう。いいセリフ。そして男性店員のギャップ萌えよ!そして主人公の生き方、私には無理だ!尊敬する。

「むすびめ」
誰しも多かれ少なかれ持っている、幼き頃の後悔や罪悪感。大人になって知る真実。子ども時代の謎なイベントも悪くない。大人になってしまうのもまた悪くない。

「ママ」
不思議な話だけど、再構築の話でもあり愛の話でもあり。最後の一文がホント良い。

「テールランプ」
ありきたりな日常…の裏に隠された、時空を超えた壮大なお話。泣いちゃうってこんなの。

「青空」
朝1番に思うことについての描写にめちゃくちゃ共感した。事故の瞬間によぎった過去、意外な流れと決意と青空と。短い話で、物語も大半の内容が2-3秒のうちに起きたことだけど、濃い。良すぎる。

最後にいいですか……。

 あーもう!最高すぎる!!!

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