あなたが「許していない自分」に気づく

1.許していない自分に気づき、受け入れていく

・婦人系疾患の場合、その背景を探っていくと、「男性に勝ちたい、負けたくない」という思いや、女性性の否定があることが少なくなく、この世で生きていくうえで、「女性であると不利だ」という強い思い込みがあり、自らの女性性を捨てるために、女性器をダメにする方向で脳が動いてしまうのです

・膠原病や、バセドウ病など、根本治療が難しい難病の人たちにしばしば見られるのが、「私は弱い人間だ」というセルフイメージで、こうしたセルフイメージが強い人の場合、一方で、そんな自分が許せないという思いも強く、強い自分になろうと努力を重ねがちで、その一つの手段として難病を選ぶことがあるのです

・思い込みやセルフイメージと病気との関係をさらに探っていくと、そこにはその人が許してない自分というものが見えてきます

・病気をやめる、あるいは病気にならない体になるには、結局のところ、許していない自分を受け入れ、そして自分を許していくことで、それにはまず、自分がどんな自分を許していないのかに気づく必要があり、その糸口になるのが、今の自分を縛る思い込みやセルフイメージです

2.あなたを苦しめているのは、思い込みが生んだ自分のルール

・思い込みの多くは、その人にとってすでに「自分のルール」になってしまっていて、実際は、自分以外の人にとっては「どうでもいいこと」であるにもかかわらず、それが万人が従うべき「この世のルール」と勘違いしていることも少なくありません

・自分に強固にへばりついたものを、単なる思い込みなのだと気づくには、「〜べきだ」「〜べきではない」「〜してはならない」といった言葉を、自分がどんなときに使っているのかをチェックして、自分の日頃の言葉遣いから探っていく方法と、イライラする、ムカつく、不安になる、怖くなる、つらく感じる、さびしく感じるといった、自分の中に生じているネガティブな感情を手掛かりにするという方法があります

・「親の言うことには従うべきだ」という思い込みによって、自分がやろうとしていることをあきらめたり、「正直でなければいけない」という思い込みから、上手に相手と駆け引きができず、欲しい物を手に入れられなかったりと、一見、小さな出来事も、積もりに積もると自分の本当の生きる目的からどんどん遠ざかってしまう原因になります

・自分にとってのルールは、多くの場合、ほかの人にとってルールではなかったりしますが、その自分独自のルールに縛られ、自分本来の生きる目的に向かって生きることができず、自分を苦しい状況に追いやってしまい、その状態を放置してしまえば、病気になりかねません

3.ポジティブなセルフイメージの裏に、「愛されていない自分」が潜む

・「人の役に立ちたい」「困っている人たちを助けたい」「世界に貢献したい」などのポジティブなセルフイメージの裏に、「自分はダメな人間だ」「自分は誰からも愛されていない」「自分は世の中から必要とされていない」といったネガティブなセルフイメージが隠されていることが少なくありません

・「一見ポジティブなネガティブ」が怖いのは、「〜したい」とポジティブに思えば思うほど、そこにひそむネガティブなセルフイメージが強化されてしまうことです

・一見ポジティブな「〜したい」に潜むネガティブなセルフイメージに気づくには、自分が「〜したい」と思ったとき、「それは、自分にとって心底楽しいことであり、生きる目的につながっていることなのか?それとも、マイナスな状況を避けたいがためなのか?」という問いを必ず入れることです

・自分にどんどん質問しつづけることで、ある瞬間に、その奥にあるネガティブなセルフイメージに気がつき、その「セルフイメージ」が、自分が勝手につくり上げた幻影だと気づけばいいのです

4.愛されていない欠落感情が、過剰な「自分磨き」に走らせる

・「自分を磨く」というポジティブな行動の動機を深く掘り下げると、その裏にネガティブなセルフイメージが隠れていることが少なくなく、なかでも多いのが、「私は誰からも愛されていない」というセルフイメージです

・「私は誰からも愛されていない」というセルフイメージの多くは、0〜1歳のころの親との関係が大きく関わっていて、「小さいころに、親からたっぷり愛情をもらった感覚があまりない」という記憶に端を発していることが多いのですが、その解消にはそうした記憶を書き換えていく必要があり、簡単にはいかないが、記憶の書き換えは決して不可能ではありません

5.セルフイメージの歪みが、ネガティブな「人生の前提」を生む

・「人生は面白いことであふれている」という人生の前提を持っていれば、人生において次々と面白いことが起こり、「人生は苦しみに満ちている」という人生の前提を持っていれば、人生において次々と苦しいことが起こるように、人生は、その人の、まさに人生の前提通りに進んでいくのです

・その人にとって人生の前提以外のことは存在せず、それ以外の発想は出てこないので、人生の前提以外のことは起こり得ないのです

・人生の前提に、「正しい」も「正しくない」もないが、病気になりやすい人が共通して持つ人生の前提は、「人生は思い通りにならない」「人生は苦労ばかり」など、その通りに人生が進んでいくと、ひたすらネガティブな感情に苦しめられかねない前提です

・自分が一体、どんな人生の前提を持っているかに気づくには、自分が持つ思い込みやセルフイメージを探っていくことで、思い込みやセルフイメージと人生の前提は、ほぼイコールの関係といっていいでしょう

6.ネガティブな「解釈グセ」を捨てる

・人それぞれ、本当に十人十色の思い込みやセルフイメージを持っていますが、それらが一体どうやってつくられたのかというと、結局のところ「過去の記憶」なのです

・思い込みやセルフイメージは、何かをきっかけにつくられていきますが、そのきっかけのほとんどは、誰かの言葉で、発言者は、具体的に親や学校の先生、友達や近所の人たち、さらにはテレビに出ている有名人だったりします

・まわりからの言葉を、自分へのネガティブな評価と解釈しているのは他ならぬ自分自身で、結局、思い込みもセルフイメージも、まわりから言われた言葉に対する、自分の勝手な解釈にすぎず、頭の中だけにあるものであり、この世の真実でも、事実でも、常識でも、ルールでもないのです
・自分を苦しめている思い込みやセルフイメージを手放すには、「自分の勝手な解釈だった」と気づくために、「思い込みやセルフイメージが存在するという証拠はどこにありますか?」としつこく自分に尋ねてみることです

・SLEは、本来だったら外敵などから自分を守るはずの免疫系が、自分自身を攻撃するという自己免疫疾患の一つで、臓器や皮膚など全身のさまざまな部分に炎症を引き起こす病気ですが、共通しているように思えるのが、自分で自分を徹底的に否定する傾向が強く、思考のクセが、そのまま病気として現れていることです

・まわりからの言葉や出来事などを自分が自己流に解釈して、それによって苦しめられつづけるだけの過去の記憶と向き合い、その解釈が今の自分にとって適切かをチェックし、不都合があれば、解釈をし直していくことが、本来の生きる目的に向かって生きる第一歩になります

7.まわりに振り回される人ほど、病気になりやすい

・物事を判断したり、決断したりする際の思考パターンは、自分以外のまわりからの意見や情報、データなどから、物事がうまくいっているのか否か、物事をやるかやらないかを決めていく「外的基準」と、自分の中に明確な判断基準があり、まわりに左右されず、自分で物事がうまくいっているか否か、物事をやるか否かを決めていく「内的基準」に分けることがあります

・まわりの情報に合わせ、自分自身をないがしろにし、他人に従い、自分を持たない生き方をするような、外的基準の脳の動かし方が強くなるとき、人は病気になりやすくなります

・外的基準の生き方では、うまくいっているか、そうでないかを、外部からの反応や、他者との比較の中で判断していくことになり、「批判されたらどうしよう」「負けたらどうしよう」といった不安や恐怖が常につきまといます

・外的基準の場合は、外部からの単なる情報も、自分への批判と解釈しがちで、踏み込まれた感のようなダメージを自分の中に残してしまい、内的基準の場合は、相手の言葉を単なる情報・フィードバックとして解釈し、自分への批判と解釈せずに受け流し、自分自身にダメージを残しません

・病気にならないためには内的基準で生きていくのが重要で、自分の中に明確な基準を持ち、それに基づいて何事も判断していき、外部の意見は情報として聞くけれど、それで自分の判断が左右されることはない「私は私、あなたはあなた」と線引することを恐れないことです

・まわりに振り回されることなく、本来の「生きる目的」に向かって生きる自分を取り戻すには、「私はどうしたい?」と、常に自分の意見に耳を傾け、外的基準で物事を判断しそうな自分に気づいたら、自分と外部の線引を意識して、「私は私として生きていく」ことを、自分に許してあげましょう

8.つらい出来事の意味を問うことで、「生きる目的」が見つかる

・思い込みやセルフイメージから自由になるには、許せない自分や他人、出来事を許していき、過去から現在まで、病気も含めて、起こったことや出会った人たちが、人生にとって「何を学ぶために、何に気づくために必要だったのか、どんな意味があるのか」を考えることです

・「この体験は、自分にとって、どんな意味があるのだろう?」と自分に問いかけはじめると、脳は自動的にその答えを探しはじめ、ばらばらだった過去の記憶がそれぞれ結びついていくなかで、そこに共通するテーマが見えてきて、「私は、こういうことを成し遂げる目的で生まれてきたのだ」という気づきが始まります

・自分が経験するすべてのことが、単に「必要だから起こっている」だけではなく「目的を成し遂げるために、わざわざ自分で選んだ」と思えるようになると、受け身の状態から主体的に自分が選んだと捉え方が変わり、何かを成し遂げるために、判断や行動をする自分に変わっていきます

・人は、自分の本来の生きる目的に向かって行動をしているとき、生きている実感を味わい、強い幸福感を感じ、ドーパミンやセロトニン、オキシトシンといった脳内物質が体内に分泌され、自分に起こる出来事、出会う人すべてを受け入れられるようになり、許せるように変わっていきます

・自分に起こる出来事や出会う人のすべてについて、「自分がわざわざ選んでいるのだ」という感覚を持てるようになると、何が起きてもあまり動じなくなり、事態を落ち着いて受け入れられるようになります

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