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羽生クオリティと東和品質の共通項 言葉から見えるもの~心の笑顔のために頑張りたい~

はじめに、敬称を一部略させていただくことをご了承ください。


 東和薬品はジェネリック医薬品専門の製薬会社だ。プロフィギュアスケーター 羽生結弦氏と東和薬品 代表取締役社長 吉田逸郎氏の対談を拝見してジェネリックのイメージを誤解していたことに気づかされた。
 初めての調剤薬局ではジェネリック医薬品でよいかと必ず質問される。失礼だがジェネリックが二級品のような印象を受けてしまっていないか。薬価が安価である事で政府の方針に従ってるだけのような、自分のお財布にも優しいのであればそれでよしとしよう、私はその程度の考えしか持っていなかった。先発薬でなければ正規の効果が期待できないように書かれた記事も見たことがある。代替品の位置づけであった。
 しかし東和薬品のジェネリック医薬品とは先発薬をただ真似て作るだけではないのだと、例えば飲みやすい薬にするには小さい粒であればより飲みやすくなるのではないか、口腔内で溶けて有効成分は胃の中に入って行けば嚥下能力が弱い人にも服用しやすいのではないか等、常に新しい技術を研究し改良が加えられ、できる限りよい製剤が提供されているのだと知った。

その1 基本を大切にする

そもそも、この工場で働いている方々の安全性を確保するために、という意味でも無人化が進んでいるそうですけども、昔は本当に大変だったんだろうなと。この時代だからこそできるお薬づくりがあるんだ、ということをあらためて感じています。(羽生)
 
 
対談するにあたってどれだけ東和薬品について下調べをしリスペクトを持って臨んだかがうかがいしれる。
 例えば有毒の植物からがんに効果があるとする成分が見出され、その化学成分を基に作られる製剤は健康体にとっては毒となることもあるだろう。製造過程においてリスクは付いてまわる。
 働く人の安全性への言及も「抗がん剤に代表されるような高活性製剤(高薬理活性製剤)ですね。」と吉田社長の説明への即座の理解も、薬学も医学も学べることは学びたい、スポーツに応用しうることは何でも吸収したい想いで培った知識なのだろう。凄いな。羽生はそれを可能にする自頭の持ち主だ。
 またこの時代だからこそ・・に続く言葉は羽生にはいくつか存在していて、羽生らしい。

品質の基準の確認は、データの捏造やミスが発生しないように、データ分析は機械が行います。その分析結果と人の判断を統合して「大丈夫か」「安全か」判断し、次の工程へと進む。つまり、データの正確性や信頼性を担保するために機械やロボットの活用と、二重チェック機能として人が最終判断をして製品の品質管理をおこなっています。(吉田)

つまり、昔から製法の基本は変わってはいないけれど、いわゆるデータ分析力を必要とする仕事はロボットが管理し、そのデータ自体を管理するのは人間ということですね。(羽生)

お薬づくりの基本であるGMPの遵守に加えて、製造するすべての製品の品質や安全性に徹底的に向き合うために、機械やロボット、今後はAIの活用など、そのような働き方に、どんどんとシフトしてきているということです。(吉田)

 もうこのあたりは、羽生にとってはもどかしくてしかたないのではないかと、いやもどかしいと思っているのは私の声だ。全て置き換えられるもの。フィギュアスケート界の旧態依然とした体質、変わろうとしない体制に物申したいことがあるんだろうな、と私が言う。羽生は言わない。いつかきっと羽生の時代が来る日を思い描いて楽しみにしながらそれまで元気でいようと思う。

その2 高みを目指し挑戦していく

僕が一番大事にしようと思っているのは、“新しい形でどのようにみなさんに伝えられるか?”という「形」です。これまでは競技会の中で点数というもの、いわゆるデータみたいな数値化されたものにひたすらこだわってきて、そこがある意味では1位という基準点を超えられるか超えられないか、ということを常に絡めながらスケートをやってきました。(羽生)

ただ、今は、みなさんにとって、どれだけ伝わりやすいか、どれだけ自分の思いが込められているものか、という部分をとても大切にしています。それって、今まで点数を取るために培ってきたフィギュアスケートの基礎とか基本だけではどうしても足りないんですね。新しく“伝わるフィギュアスケート”として、新しく“より表現豊かなフィギュアスケート”として、基盤づくりをしていかなきゃいけないと考えていました。(羽生)

どんどん掘り下げていって、その「基盤」や「基礎」というものをどんどん新しくしていくっていう作業がすごく矛盾していて面白いなと思ったんですよ。(羽生)

 苦味や酸味の基準値が人によって違うがゆえの難しさを競技点数に例える吉田社長も秀逸だ。
フィギュアスケートでも点数が高いといっても、その審査員の点数は、違う審査員が見たら違うかもしれない。(吉田)


その3 大事にしたいこと、共通していること

 羽生の「なんとなくこのスケートいいね」と思ってもらえること。「東和の薬だから飲めたね」と思ってもらえること。共通していることはこだわりでそのこだわりを大事にしたいというお二方。

何のためにこだわるのか?というと、お薬を提供することで患者さんに健康を取り戻していただく。そして健康になるためにも、より飲みやすいお薬を、ということです。お薬を飲むことで自分が健康になれるなら自分からお薬をきちんと飲もう、という患者さんの治療への積極的な行動を推進しようと。服薬アドヒアランスのために飲みやすい薬を届けること。(吉田)
  
※アドヒアランス 患者が積極的に治療を受けること

他の分野の人も、フィギュアスケートを知らない人たちでも、いろんな人たちが見た時に「あ、これ面白いね」「これいいね」って思ってもらえるようなものを目指したい、そう滑ることが僕のこだわりなんです。(羽生)

 まさに今メガロヴァニアがとんでもないことになっている。ゲーム界から、若い世代から、誰が滑ったって?何処で見えるって? 羽生選手が滑ったの? Xがそれは騒がしい! 着実に羽生の想いが実を結んでいることに万歳したい気分だ。謙虚な羽生に代わって言うけれど、こうなることは羽生には見えていたと思っているよ。
 羽生結弦を生で見たい人がまた増えるな!
 喜ばしいことだけれど激戦がより激戦に!

その4 考えていること、伝えたい想い

技術だけがすごいものをパッと見たとしても、どうもそんなに感じない。それこそ技術だけだったら、高性能のロボットを作れば、10回転ジャンプなんて、もういくらでもできる。でも、それでは人は感動しない。人間が自分の一生といいますか、人生をかけて努力をして、その努力の結晶として今があるんだという部分だと思います。それが他の人と比べて一段階高いところにいると、すごい。想いとか人生を感じるという部分で、羽生さんは非常に人間性を出されている。(吉田)

吉田社長!泣けます!
なんというリスペクトをもって羽生を評価してくださるのか。(めちゃくちゃ身内目線になっていることお許しを。)

新薬メーカーは、新しい薬効のための新薬を世の中に早く届けることでものすごく必要なこと。その上で東和薬品の使命は薬を飲む人のことを考えて作りたい、「東和品質」。改良・改善された薬は、また医薬品としての承認を取るために再申請を行うことが必要で新薬を開発する経費と同じくらいかかる。(吉田分要約)

確かに、同じ技、いわゆる同じ有効成分なんだけれども、違ったものにしていく。違ったものとして届けられるように、みなさんにより届きやすく、みなさんにより分かりやすく、伝わりやすくみたいなところは、僕自身もすごく考えているテーマの一つですね。同じところから、もうすでに一定の形ができあがっていて、そこからさらに良くしていく作業って本当に難しいんですけれども。でもそれは、ある意味では一番必要な作業なのかもしれないですね。(羽生)

 ここで吉田社長がGIFTを褒めるのだが、「ありがとうございます。懐かしい。」と答える羽生。GIFTを懐かしいと言うか、半年も経ってないよね。それだけ力を出し尽くしたってことなのだろうな。

音楽は何を伝えたいのかな?とか、この振り付けは何の意味があるのかな?っていうことを考えていくと、意外とみんな分かんないなとか、やっている僕自身もよく分かってないなっていうことが結構あって。そういったことを一つ一つまた振り返りながら、じゃあ、もっと伝わりやすくするには、もっと自分の想いがこもったものにするためにはどういうふうにしていたらいいのかな、みたいなことは非常によく考えますね。(羽生)

 RE_PRAYは難しい。答えが人それぞれにあり過ぎて難しい。見る毎に答えが変わってもいく。想いがこもっていることはひしひしと伝わってる。痛いほど伝わってくる。
 中には難しいからお手上げされた話も耳にしたけど、できればもう一度向き合って映像を見てとお願いしておいた。

 ここで演技のバックに流れる映像は薬剤のコーティングと同じだと表現した羽生。薬剤のコーティングは苦味を抑えて飲みやすくするためのもの。
飲みやすい=伝わりやすい
コーティング=映像
伝えることは難しく少しでも伝わりやすくするために映像を使っているということなのだな。お薬に例える羽生の言葉選びに脱帽だ。

東和薬品の事業展開はというと
まず「こころの笑顔」を掲げ、その意味は
「満ちたりたこころでよろこびが笑顔としてあふれてくる」
と定義されている。
人々に笑顔と健康を届けたい
健康寿命の伸延に貢献したい
健やかな身体のために
未病のうちに働きかけるもの
健康維持のためにあるべきもの
サプリメントや※OTC医薬品や※服薬支援ツール
 ※OTC医薬品:市販薬
 ※服薬支援ツール:えっ?
バンダイナムコ研究所と実証実験やってはる
患者さんの服薬アドヒアランス向上と残薬の解消に貢献することを目的
ゲームメソッド機能により服薬に対するモチベーションの向上
なのですと。
ハナサポというのだそう。アプリのようです。
やくおそう
気軽にはなそう
はなれていても安心
はなはなはなでHanaサポートなんですって。

幅広いんだなあ。
知らなかったなあ。
工場見学終えたような気になってきたなあ。

 最後に羽生は錠剤が出来上がる過程を料理のレシピの説明を例に出し、料理程に薬のことを知らなかったと述べた。薬1錠に込められた工夫を料理のように㏚することは制約がありできないそうだ。
 羽生の存在は隠れて見えなかったこと、知らなかったことにスポットをあててくれた。少なくとも羽生を推す人々の間では認知されたことだろう。
東和薬品に所属する方にとって羽生の言葉はうれしいはずだ。私が社員であれば何をおいてもうれしい。

過去にもいっぱい人々を嬉しくさせてきてくれたよね。

震災や災害から復興しようとする人へ
人命救助へあたる人へ
医療従事者の人へ
スケートを頑張る後輩へ
ホームにしているアイスリンクへ
三つのオリンピックを見守った人々へ
他にも まだまだ いっぱい!

その5 将来の夢 ビジョン

僕がこれから作っていきたいなと思っている演技だったり、また表現だったり、いろいろなものたちが後世に残っていってくれて、最終的に未来のいろいろな人たちが、「羽生結弦」という人間の演技を見た時に、「すごく面白い人がいたんだな」って感じてもらいたい。いつか、50年後とか、それこそ100年後とかでもいいので、思ってもらえたら嬉しいなと、最近は強く思っています。(羽生)

 既に歴史上の人物であることは間違いのない事実だ。楽しみでなりません。これからの『羽生結弦』が。

GUCCIギャラリーにて


全く別物としか考えられないフィギュアスケートと医薬品の二つの世界を見事にまとめ上げたインタビュアーで在りインタビュイーとしての羽生結弦氏に敬意を表します。
代表取締役社長 吉田逸郎氏には貴重な羽生氏の一面を引き出してくださりありがとうございました。

「心の笑顔のためにできること」私たちは貰う立場で見届けたいと思います。

GUCCIギャラリーにて


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