結婚を機に北海道からスイスへ。子供を育てて、仕事もして暮らした30年。移住したことで見…

結婚を機に北海道からスイスへ。子供を育てて、仕事もして暮らした30年。移住したことで見えた、体験できたあれこれを書いていきたい。

最近の記事

出来が悪い?そうじゃない!

こんにちは、紫です。 三女が、小学校の教師になる。 別になんてことない事実にきこえるが、私にとってはそうじゃない。 「皆と一緒にベンチに座って同じお歌を歌うこと」を拒否し、教室の隅っこでふくれていた娘は、先生にびんたを張られ、”出来の悪い子”のレッテルをバーンと張られて学校生活が始まった… 以来 注意散漫、おしゃべりのし過ぎ、宿題や教材を忘れ、中学時代は教師を罵倒して授業妨害で何度も罰をうけたり… 高校に入ったら入ったで、授業をさぼりまくり成績は超低空飛行。 ちょっ

    • 違うって、いいこと。

      こんにちは、紫です。 スイス人を父に持つ、ハーフの娘たちの対談😊を聴いた。 今にち、二人はもう、いい大人である。 テーマは、小さい頃、ほかの子たちと違うこと、日本人の血が混じっていることを、どんな風に生きていたか? いい事、困った事、どんなことがあったんだろう。 皆と同じに振る舞い、同じ服装をして群れて目立たずはみ出さず、をいいこととする日本の文化の中で育った私には、興味をそそられる話題だ。 なんと、娘たち、ほかの子供たちと違うことが、面白くてたまらなかったという

      • 学校

        こんにちは、紫です。 ジュネーヴで、子供を3人育てた。 自分は経験しなかったが、親の立場でたどってきたスイス フランス語圏の学校教育。 自分が経験した、日本での学校生活との違いに驚いたことは、数知れない。 "2時間もあるお昼休みには、子供たちがゆっくり家に帰って来ることができる” ”小学3年生までは、水曜日は、学校お休み” ”二か月続く夏休みは、学年の変わり目だから、宿題は一切無い” ”受験は無いから、受験戦争も無い。無論、塾は存在しない” ”義務教育を終えて

        • 専門用語は怖くない

          こんにちは、紫です。 スイスにきて、専業主婦/母業を9年やったころ、仕事に復帰することを決めた。というか、復帰したくてたまらなくなった。 看護師の仕事が好きで、それしか知らない私は他の職業など目に入らず、やっぱ、これしかない‼ と、準備を始めた。 まずは、専門用語を覚えなくちゃ! 日本語で学んだ解剖生理学、看護学、病理学…に出てくる、いくつあるか知らない専門用語を、フランス語に置き換えて覚えていくことを、あの頃、無謀だとも、無理だとも思わなかったのが不思議でならない。

        出来が悪い?そうじゃない!

          日本へ帰る?スイスへ帰る?

          こんにちは、紫です。 スイスへ移住して、30年。 以来、初めての長い里帰りをしてみた。 ある日、25歳になる娘に訊かれた。 「お母さんは、日本へ行くの?それとも日本へ帰るの?」と。 果たして、どっちだろう? 行きたくてもいけない時の望郷の念、故郷の地を踏んだ時に腹の底から感じる「ああ、やっぱりここだ」…の感。 やはり、私にとっては、日本に”帰る”、のがしっくりくる。 ただ、この長い里帰りで見えたのは、自分がそこにいなかった30年でぽっかり空いた、空洞。 そこ

          日本へ帰る?スイスへ帰る?

          たかがフォンデュ、されどフォンデュ

          こんにちは、紫です。 ありとあらゆるシチュエーションに登場して活躍してくれる、スイス伝統の食べ物の代表格。 それは何といってもチーズ。 スーパーへ行けば、チーズその他、乳製品の売り場が占める面積は日本のスーパーの比ではなく、スイスの食生活での重要なポジションに立っている。 寒い時期(暑くても食べてる人もいる🥵)、この国で、家族や友人が集っていただく代表料理といえば、なんといっても、丹精込めて作られたチーズを使った、チーズフォンデュ~お鍋で白ワインとチーズを煮溶かしたも

          たかがフォンデュ、されどフォンデュ

          ベンチの魅力

          こんにちは、紫です。 スイスでは、美しい景色を愛する人たちが、一人で、家族で、グループで、しょっちゅう山に繰り出す。 これ、”私趣味だから”とか、”健康にいいし”とか、ぐちゃぐちゃ理由をつけず、とにかく山を歩く。 それはスイスに住んでいる多くの人にとって、そうすることが”当たり前”だからなのだろう。 そんなスイスの山岳地帯には、歩きやマウンテンバイクのための小道が網羅していて、常に、”ベンチ”がちょうどいい塩梅に備え付けられている。 何がちょうどいい塩梅なのかという

          ベンチの魅力

          スイスの言語

          こんにちは、紫です。 スイスにはスイス語っていうのは無く、公用語が4つあることを知っている人は、案外少ない。 地理的に、面積は、わが故郷北海道の半分で、西ヨーロッパのど真ん中にあり、4つの国に囲まれている。 話されている言語は、多い順に、ドイツ語(実はスイス特有のドイツ語)、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語(イタリア語とドイツ語が混じったような言語)。 言語が変われば、文化も変わる。 ちっちゃい国だけど変化に富んでいて、ちょっと移動するだけで雰囲気が変わる。

          スイスの言語

          スイス人は、どこでも挨拶をする。

          こんにちは、紫です。 数十年という、結構長い時間ここで暮らしていても、今だに感心するスイスに住む人々の一面。 挨拶をする習慣。 この国では、至る所、あらゆる場面で挨拶が交わされる。相手を知っていようがいまいが、そんなことは知ったこっちゃない。 さすがに、人が多い都市部では別なのだが、道で、山で、公園で、エレベーターで、小さなバス停で、…無言ですれ違っていく人は、まずいない。 特に、これいいよなあって思うのがいくつか。 都市部を離れて田舎でバスに乗ると、まず乗った時

          スイス人は、どこでも挨拶をする。

          こうやって学んだら?外国語 その4

          現地の言語で生きていくことを、選ぶ。 こんにちは、紫です。 国際結婚をすると、基本、家庭での言語は最低でも二つになる。 子供が生まれてから、お父さん、お母さんがそれぞれ母国語を話していても、一向にかまわない。だって、子供はバイリンガルになってちゃんと使い分けてくれるから😊 問題は、私に起こった。 専業主婦/母をやりながら、子どもたちと家で話す言語を日本語としてしまうと、私自身のフランス語を上達させる機会が、皆無になってしまうのだった。 二人目の子供が生まれて、子供

          こうやって学んだら?外国語 その4

          こうやって学んだら?外国語 その3

          キチンと発音している人を聴く。 こんにちは、紫です。 ある日を境に、お国を変えて、聞こえてくることが一切理解できない世界で生きていくのは、大変です。 大人になって、吸収の悪くなった脳に鞭打ちながらだと、大変を通り越す。それでも、少しづつ出来るようになってきた時判るのは、正しく発音されている外国語が、いかに脳にやさしいか、ということ。 聴解力を上げたいなら、ニュースを沢山聴こう ‼ ジャーナリスト(さすがはプロ👍)が、くっきりと話す言葉は、語彙が少々難しくても、とても

          こうやって学んだら?外国語 その3

          こうやって学んだら?外国語 その2

          思い切りシンプルで身近な事を、最大活用する。 こんにちは、紫です。 いろいろな教本や、○○語習得メソッドみたいなものを買っちゃうとか、レッスンに参加するとか、手っ取り早いのはこれだ~と一般的に思われていること、本当にそうだろうか? 外国語をマスターするには, 情熱と根気がいる。それを維持するには、カチカチになって机で頑張っていては、ダメなんだ。 子育てをしながら、日常生活の中でフランス語を身に着けていった私は(もちろん必要に迫られてレッスンも受けたが…)、「子供の絵本

          こうやって学んだら?外国語 その2

          こうやって学んだら?外国語 その1

          ナンバーワン、恥を捨てる。 30年前、スイス、ジュネーヴの地を初めて踏んでから3日後に開始した、三か月間のフランス語夏期集中コース。まずはレベル確認のための、文章を聞いて書き取るテストから始まった。 無謀なことに、一切何も学ばず向こうへ旅立った私。 生まれて初めて、試験を白紙で提出する不甲斐なさを味わった… しかし、名前以外、何も書かれていないテスト用紙を受け取った試験官は、なんと😉と👍で、この情けなさを吹っ飛ばしてくれたのだった。 わからないこと、うまくできないこ

          こうやって学んだら?外国語 その1

          群がる必要、ないんじゃない?

          元々一人は好きだったけど、スイスで暮らしてきて、「群れから外れて生きる」が、さらに身についた。 社会全体が、必要以上に群がって生活しない。友達がいなくていいのではないし、職場でうまくいかなくてもいいのでもないが…人々がいい距離感で生きている。 職場も友人もご近所も、付き合いを断ったら云々…なんて言う心配も、一切必要ない。それで嫌われたり、批判されたりすることは無い。 第一に尊重するのは個人個人の生活や考え方であって、群れ(例えば職場)を最優先したり、群れから外れることを

          群がる必要、ないんじゃない?

          どれがいいのか?赤ちゃん事情

          こんにちは、紫です。 あとひと月で、長女が出産する。 待っていた初孫🍼 嬉しさに交じって、スイスへ行ったばかりの頃の、何も知らない私の初出産とそれにまつわる諸々を思い返さずにいられない。 里帰り出産など叶うはずもなく、友達もいなかったから、支えてくれるのは心配そうな主人とまだよく知らない姑、義姉ご夫妻…まさに頼れる者は自分のみだった。 幸い妊娠は順調、看護師という職業柄、出産を見たことはあったから、何とかなるで流れに身を任せて、超難産の末、長女は生まれた。 赤ちゃん

          どれがいいのか?赤ちゃん事情

          海外で暮らすのは、格好いいか ?

          「どちらにお住まいですか?」 「スイスのジュネーヴです。」 「うわあ、かっこいいですねえ!」 何度聞いたことか、このフレーズ。 羨ましがられているようで、なんとなくくすぐったい気もするのだが… しかし世間は何にもわかっちゃいない。 一か月でも海外で暮らしたことのある日本人なら、海外生活が特別格好のいいことじゃないことを身をもって体験しているだろう。 初期のころは、ことさら厳しい。 いつも話を聞いてくれる友はそばにいず、一人ぽっち。 「お茶しない?」といって、気軽に誘

          海外で暮らすのは、格好いいか ?