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クライアントからの挑戦状 1

どうしても時々 出会ってしまう



いわゆる「カウンセラーショッピング」を趣味?とするクライアントに



こちらとて 相応の経験は積んでいるつもりである



あぁ、また来ちゃったなぁ



程度にしか思わない



専門知識とは言わないが専門用語だけは乱発する



きっと以前のカウンセラーから仕入れたのであろう



カウンセラーなど 所詮 クライアントの感情に寄り添うのが精一杯



クライアントを変えるだの 治すだの おこがましいのである




しかし



この手のクライアントは初めから 喧嘩腰であることが多い



「お前じゃ 話にならねーよ」が前提



売られた喧嘩を買うほど物好きでもないし



その感情に寄り添うことなど出来るはずもない



だから 単に聴く



インテークが終わるころには 間違いなく 勝ち誇った顔を見せる


「どうだぁ?お前なんぞには 手に負えないだろう?」



あんたが考えているのとは違う意味で 手に負えない



というか 単に相手にしないだけなんだが



通常であれば 初めの1回だけで 手切れとする



「あなたには 私というカウンセラーは不要ですね それでは~」となる



ところが



クライアントからホームワークを出されることがある


「〇〇という場合 普通は△△と感じるのが健全だとは思うのですが どうして自分は××と感じてしまうのでしょうか? 次回までに 教えて頂けませんか?



慇懃無礼である



ほとんどの場合は 無視を決め込む


どうしても 喰い下がってくるクライアントもいる



そういう場合の対処も手慣れたもの



「さぁ 私にはわかりません しかし あなたは その解答を知っていますよね?



これで 黙る



つまり カウンセラーを試したい のであろう


そんなクライアントに付き合うほど 暇ではない





話は もう10年以上前



妙なクライアントが カウンセリングを申し込んできた それも名指しで



職業は 自称「占い師&霊能力者」である



聴くだけで怪しい


名前を聞いても 記憶には無い


全くの他人である


何だか怪しそうだから 初回でさよなら~ だな



と決め込んで インテークに臨んだ



「初めまして ●●と申します」


「どうも ■■です なにやら私をご指名であったそうで?」



「はい、是非とも先生に申し上げなければならないことがありまして」



「失礼ですが 私はあなたを見知っていませんよね?」


「はい」



「では なぜ ご指名頂いたのですか? どなたかのご紹介ですか?」



「いえ違います サイトで先生のお顔を拝見して 是非この先生に会わなければと思ったのです」



ったく いい迷惑だって とは思ったものの そこはやはりカウンセリング



「で、どうしました? 何かお悩みでも?」


「あのぉ 悩みという訳ではないのですが 言いにくい事なんですけど」


「我々カウンセラーには守秘義務がありますから 何でも話してください」


「では あのぉ 先生のオフィスの鬼門にお札を貼っておられますよね それも かなり強力な 勿論先生も信仰なさっている仏様の・・・」


はぁ?お札だぁ?



ちなみに その位置は設置したカメラからは見えない



「そのお札 明日 剥がれ落ちます」



「そうですか それが剥がれ落ちようと落ちまいと あなたのカウンセリングとは 無関係ですよね 大変失礼ですが これにてセッションはお断りいたします。」



「ちょっと待ってください 失礼は勿論承知です お願いですから 明日 お札を確認して もしその通りになっていたら また カウンセリングを実施して頂けませんか?


「あの あなたの目的は何なんですか? あなたのご相談になっていませんよね? これ カウンセリングではないですよね? それとも 無料で私を占ってくれているのですか? であれば一切無用です」



「お願いです先生 明日、明日確認してから お返事をください



もう あまりに面倒なので はいはい と言って カウンセリングを終了した



というか もうこのクライアントとは縁切り!と決めた



仲間内で たまに話題にはなる



こういう占い師だか霊能力者だか スピリチュアルだかに凝って


有難いご宣託を振りまいて去ってゆくクライアントが



正直 不愉快極まりない


さっさと忘れて その日の仕事をこなし なぜかムカムカするので 近所に呑みに行って 爆睡した



確か夜中にのどが渇いたのと 二日酔いで頭がガンガンするので 頭痛薬を飲みに1度起きた



たっぷりと水分補給をして 再度爆睡
スッキリと目覚めた



さて 朝飯でも買いに行くか



と玄関まで 出た



落ちていた


お札   が・・・

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