見出し画像

未だに納得してないこと

三日坊主になる前にふと思い出したことを2次会抜け出して家まで帰る間に書く。

僕とおじいちゃん

今の会社に入ったばっかの時えらくガラの悪いおじいちゃんに仕事を教えて貰ってた。いかにも昭和って感じの職人。すぐ怒鳴るしすぐ手がでてくる。距離が離れてると物投げてくる。そんなおじいちゃん。

正直な話「お前そうやってられんのも今のうちだぞ。」、「いつか絶対ぶん殴ってやる。」とかそんなんばっか思って仕事してた。

でもその時はそう思ってもしばらく経つとそんなんどうでも良くなってくる。

だって話合うし根がいい人なのは知ってるから。

めっちゃ怒られた日の夜には電話かかってきて、2時間とか普通に通話する。アニメの話でも盛り上がった。漫画も貸したし、休みの日にはバイクの後ろに乗っけてもらって奥多摩まで行ったりした。笑顔も可愛くて笑うと前歯が一本ないのがめっちゃ目立つ。でも顔は怖い。

突然のさようなら。

そんなおじいちゃんが仕事の休憩後なかなか戻ってこないなって思ってたら他の業者さんが「お宅のとこの人倒れてるよ!」って焦った感じで呼びにきた。

急いで向かうと空き部屋に寝転がって監督に声かけられてるおじいちゃんがいた。いびきみたいな音を立てて一見すやすや寝てるように見える。監督さんも「いびきみたいなのを聞いて呼吸してるから大丈夫」って言って安心してたけど眠くて倒れるような人じゃないのは知ってる。

念の為救急車を呼ぼうってなって救急車を待ってたらいびきが止まって口をパクパクしだした。鯉が水面から口を出してる時みたいに。それをみた瞬間元カノの姉(医大生)が勉強してた時に使ってた本に書いてあった「死戦期呼吸」がなぜか頭に出てきた。なんでかは分かんない。でも直感は優れてる方だと自分では思ってる。だからAEDを持ってきた。
AED使っても心肺停止は戻らない。救急車も全然こない。結局救急車が来たのは呼んでから30分くらい経った後だった。搬送されてからはもう仕事どころじゃないから解散。

脳梗塞

結果から言うとおじいちゃんは脳梗塞で死んだ。どうやら朝から体調が悪かったみたいで上着を5枚着てたらしい。翌日に社長からLINEで無くなった報告が来たけどなんで返せばいいか分からず「了解です」と送った。

未だに納得してないこと。

本題。このLINEの返信について社長含め会社の人にめっちゃ言われた。「なんて言ったらいいか分かんないのはいいけどもっとあるだろ。」とか「お前が1番世話になってたのに何ともないのか?」とか。

正直な話、亡くなったって聞いてもへぇーとしか思えなかった。育った環境なのか元々備わった物なのかは分からない。けど昔から誰か亡くなったって聞いても実感が湧かなかった。実感というより、友達が遠くに引っ越した感じ。仲のいい友達が留学することになったからって言われてもへぇーって思うのと同じ。あの世に引っ越しただけでなんで悲しむ?って感じ。それが今のところ最初で最後の社長と大喧嘩したこと。

最後に


おじいちゃんからの最後のLINE
「月曜日殺す。」
そう言ってたおじいちゃんは翌々日死んだ。
だから返信しといた。
「勝ったのは俺だね。」
既読も返信もないのは分かってるけどあの世で会った時に直接教えてくれたらいいよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?