そのむかし、城福、字を長恭という若者があった。安陽の挙人で合理的で皇帝の信頼厚い人物だった。 長恭は皇帝より不老不死の霊薬を探すよう命じられ、旅に出た。 険しく、長い旅路の果てに、長恭はとうとう冥府にある十王殿へと辿り着いた。 十王殿には霊薬が数多く眠っているとされていた。 殿中は安陽でも見たことがないほどの豪奢な装飾と死の匂い漂う静謐な空気に包まれていた。 長恭は泰山府君への御目通りを願ったが叶わなかった。 長恭は大いに落胆した。 途方に暮れながら、十王殿か
とある町のホストクラブで働く男があった。 ある日の仕事終わり、ホストが道を歩いていると、太ったドブネズミがひょろひょろのヘビの身に鋭い牙を突き立てようとする場面に出くわした。 ホストはヘビをかわいそうに思い、ドブネズミを尖った革靴で蹴り飛ばした。蹴った感触は水風船のようなぶよぶよとしたものだった。金切り声を上げてドブネズミは遥か向こうの路地へ飛んでいき、その隙にヘビはドブネズミが飛んでいった路地とは反対の路地へと消えて行った。 ホストはそれを見て機嫌良く家路に着い