三体Ⅱ 黒暗森林 上

読書のメモをするのはすごく久しぶり。
最近勉強しながら合間に三体をちまちま読み進めるので、読破する本の冊数は圧倒的に少ない笑
今回も覚書としてネタバレあらすじを残しておく。

舞台は危機紀元3年、三体艦隊があと4.21光年で太陽系に到達する。
三体艦隊の存在は世間に明らかになり、逃亡主義が生まれたり、そんなことはないとなだめる政府方がいたり。大金を積んで子孫を地球の外に逃がそうとして詐欺に遭う…なんてこともあったり、食糧が配給制になったり。
もちろん、宇宙戦争に向けて途方もないけれど何かしら対策を立てようとする国連や宇宙軍。
生きてるうちにはまだ何も起きなくても、遠い先の宇宙戦争に向けて確実に事が動いていく。

◆事柄
・面壁計画(ウォールフェイサープロジェクト)
四人の面壁者(ウォールフェイサー)に打倒三体艦隊の戦略を練らせる計画。智子による作戦漏洩を防ぐため、面壁者の脳内にのみ最終戦略を置くことで勝利を目指す計画。面壁者には、人にはよるものの計画のために大金の使用含むあらゆる権限が与えらえる。周囲に本当のことを言う必要はなく、また周りも面壁者のすべての行動は最終計画のためと思って接するため面壁者はとても孤独になる。「人類を危険にさらす」計画の場合のみそれは阻止される。また、惑星防衛理事会(PDC)は唯一面壁者の行動を止める権限を持つ。

・破壁者
面壁者を抹殺するために設置された地球三体協会の人間。

・三体人
言葉ではなく脳内でコミュニケーションをとるため、嘘やハッタリが理解できない。

・ハッブルⅡ宇宙望遠鏡
アルバート・リンギア博士が担当。フィッツロイ少将がこれを使って三体艦隊の証拠「刷毛」を見つける。その後も羅輯が呪文を発した日に三体艦隊に探査機が増軍されていることも発見。

・天梯(ティアンティ)Ⅲ
海上に建設された唯一の軌道エレベーター。宇宙にあるターミナルまで68時間ほどで到着する。

◆人物
・葉文潔(イエ・ウェンジェ)
地球三体協会のリーダー。羅輯に宇宙社会学の公理を託し、姿を消す。
第一、生存は文明の第一欲求である
第二、文明はたえず成長し拡張するが、宇宙における物質の総量はつねに一定である
子の公理から宇宙社会学の基本的な青写真を描くため重要なのが猜疑連鎖と技術爆発。

・羅輯(ラオ・ジー)
社会学の大学教授であり、面壁者の一人。大学教授としては取り立てた成果もない平凡な人間。面壁者としてもいちばん与えられた権限が少ない。
面壁者の権限を利用し心の中に描いた理想の女性(荘顔・ジュアンイェン)とエデンの園で幸せに暮らしているが、ある日女性と娘は彼の元から消え、冬眠し未来に行ってしまった。その後エデンの園にある湖に張った氷の上をさまよい、割れた氷の湖の中に落ち溺れかけたことで真理を得て覚醒。面壁者としての務めを果たすべく、太陽の電波増副作用を利用して太陽系から遠く離れた恒星187J3X1に呪文を送る計画を立案。呪文が効果を与えるまで冬眠することとなるが、冬眠直前に三体協会側からの生物兵器である軽インフルエンザに罹患、衰弱状態で未来の医療に託され冬眠。その後呪文が送信された日に三体艦隊に追加で探査機が出発したことがわかり、三体人より最重要の面壁者と認識されていることが判明。(羅輯の破壁者は存在せず、羅輯本人が「面壁者羅輯、ぼくがおまえの破壁人だ」と言っている)

・史強(シー・チアン)
元警察官で羅輯の警護担当。荘顔を見つけ出す。三体協会に踏み込んだ事件で被爆したことによって白血病を患い、冬眠する。
息子の史暁明(シー・シアオミン)が逃亡主義を利用した詐欺で逮捕、犯罪者としてタイラーの蚊群計画に利用される可能性があった。

・フレデリック・タイラー(面壁者)
元米国国防長官。小型の宇宙戦闘機に人を乗せ冬眠させ、自爆テロ攻撃を仕掛けさせる戦法を立案。頓挫し、自動運転で自分が指示を出す計画に切り替えたがそれはフェイクで、地球の近くにある大量に水を持った惑星を探す方が目的だった。蚊軍計画はETOのメンバーを搭乗させ、人類の宇宙軍を攻撃し壊滅させ、三体人が再生化するために必要な惑星の水を献上してETOが三体人に降伏するところを狙って自動運転に切り替え三体艦隊を壊滅させる作戦だった。破壁者フォン・ノイマンに見抜かれ、人類を危険にさらす計画であることが明るみに出てしまったタイラーは自殺する。

・マニュエル・レイ・ディアス(面壁者)
現職のベネズエラ大統領。宇宙戦争の戦略は二百メガトンの核爆弾の設計。破壁者は墨子。技術の進化を待つため冬眠する。

・ビル・ハインズ(面壁者)
科学者、元欧州委員会委員長。人類の脳を進化させ、未来の人類に有用な勝利計画を立ててもらう計画。妻は脳科学者の山杉恵子。破壁者はアリストテレス。技術の進化を待つため冬眠する。

・章北海(ジャン・ベイハイ)
中国海軍政治委員。もともと海軍だったが宇宙軍が編成され所属する。宇宙戦争の勝利を誰もが信じられない中で、父の影響もあってか確固たる勝利主義者として発言し続け、将校として未来を託される。宇宙軍は媒質推進船派と非媒質型ドライヴ宇宙船派の二派に分かれている。媒質推進船派は従来の宇宙旅行を前提とした非効率で非現実的な計画だとし、非媒質型放射ドライヴ宇宙船側に立つ章は他派のキーマンを隕石雨に見せかけてピストルで殺害した。

・張援朝(ジャン・ウェンチャオ)
退職した化学労働者。老張。孫が誕生し、子孫を宇宙の脅威から守りたいがために史暁明に大金を投資し詐欺の被害に遭う。

・揚晋文(ヤン・ジンウェン)
退職した中学教師。老揚。以前は宇宙戦争に対し憂慮していたが、もうどうでもいい、となった。

・苗福全(ミアオ・フーチュエン)
山西省の石炭王。かなりの資産家だったが時代とともに石炭の文化が廃れ、かつて別邸として愛人を抱えるために使っていた住居のみが住処となる。


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