三体 1/5

とても面白いよとおすすめをもらって読み始めた長編SF小説の三体。
自分史上では400ページほどを1週間で読み切るのは相当早い方で、
設定は天文、物理学知識のない私にとってかなり難しいんですがおもしろくてどんどん読んじゃいました。
ここから4冊あるので、1冊目の内容を覚えておくためにも記録しておこうと思います。

中心人物
・葉文潔(イエ・ウェンジェ)
文革で理論物理学者の父を亡くす。物理学者の母と紅衛兵の妹が文革時父の敵となった。母は強か、先が読める人物。文革後は政治の風向きを読み、当時迫害を受けていた教育部の高級幹部と再婚し自分は有名大学の副学長となる。
兵団で裏切られ死にかけた後、レーダー峰(=紅岸基地)に逃れる。
紅岸基地では地球外生命体探査計画が実施されていて、宇宙にメッセージを送信していたが、表向きには20年間何の結果も出ていなかった。
が、紅岸基地の受信状況に影響を与える太陽雑音の研究をしながら発見した、太陽エネルギー鏡面。これにより太陽をアンテナにして電波を増強し、メッセージ送信を成功させられるのではと考えた文潔は独断で決行。
結果として三体世界にメッセージは届き、返信があった。
メッセージを守るために雷志成と夫の揚衛寧を殺害。
娘の揚冬とともに紅岸基地を離れ大学教授に着任、同様に人類の業に絶望していたマイク・エヴァンズと出会い三体協会が発足する。

・汪淼(ワン・ミャオ)
ナノマテリアル開発者。ある日目の前にカウントダウンが現れる。
三体をプレイしながら三体協会の芯に触れることになる。
揚冬の夫丁儀とともに、三体人が攻めてくる、何もできない自分たちに嫌気がさしてしまうが、史強に励まされ復活。

・史強(シー・チアン)
作戦指令センター所属の警察官。物理的知識もなく、それゆえ常に前向きであって学者たちの支えになる。観察眼と発想力に優れ、ジャッジメントデイを壊滅させるためにナノマテリアルで作った武器、飛刃の作戦を考案。

用語
・三体
三体協会が作ったゲーム。Vスーツを着用してプレイする。
近くに太陽が3つある星が舞台。太陽が安定して運行する時期が恒紀、不規則な時期を乱紀という。乱紀は太陽が近すぎて暑くなったり、まったく上らなくなって寒くなったりするため人類が生きていけない。その間ほとんどの人類は「脱水」をして干物状態になってしのぐ。
太陽が3つあるため複雑な動きをしてしまう。三体問題の解を導けば解決するとみられるが、何百回と文明が生まれては崩壊してきた三体世界。三体人類は三体問題に解はないと放棄し、三体世界を捨て他の星を目指す旅に出た。
実は三体世界は実在し、文潔が宇宙に向けて送ったメッセージにより地球を目指して三体人は出発した。地球を征服しようとしている。
三体協会が同志を探すために知識階級や若者に向けて作成したもの。
一定のレベルまでクリアするとオフ会に呼ばれて適性を見られ三体協会に所属させられる。

・三体協会
総帥、葉文潔を中心とした、三体人類による地球の再生を望む団体。
一枚岩ではなく、マイク・エヴァンズを中心とする地球を滅亡させてほしい降臨派、三体世界を主として崇拝し救うと考える救済派、三体人が到来しても自分たちの祖先だけは助けたい生存派の三派がある。
降臨派は第二紅岸基地=ジャッジメント・デイにて三体世界からのリアルタイムのメッセージを独占していたが、汪淼が研究しているナノマテリアルから作成した「飛刃」により壊滅状態となった。

・智子計画(プロジェクトソフォン)
三体世界に残った人々で進められている計画。陽子を低次元展開することによって作られるスーパーコンピュータを使った計画。
智子は地球に転送され、いつでも三体人の思い通りに動かすことができる。
物理学研究に用いる高エネルギー加速器の中に仕込まれ、物質の衝突の結果を改ざんすることで物理学者を混乱させ、地球の物理学の発展を妨げた。
また、高エネルギー状態の智子が高速で往復することで人間の網膜に文字や図形を映すことができ、その技術で汪淼にカウントダウンを見せた。
また、平面状態になって地球を包み、宇宙背景放射の波長に合わせて透明度を調整することでちらつかせる「奇跡」を起こした。
科学技術の副作用を強調し科学否定の思想を広める「染色」作戦と、今までの理論で説明できない科学の「奇跡」を起こすことで物理学の発展を妨げる作戦によって、三体人が地球に訪れたときに反撃させない地盤を作ることが目的。基礎理論の発展を妨げることが重要だが、汪淼のナノマテリアルで宇宙エレベータができることも困るので優先的にターゲットとなった。


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