創作昔話 善鬼坊(5)

読経が終わった後外に出ると村人は鬼に名前や様々なことを聞いてきた 善鬼は最初は困惑していたが 丁寧に話し 彼らを安心させた

(村人は わしのことは知らないのだ 知らないなら知らないままでいい 彼らを不安がらせてなんになる)


それが善鬼の心の中に浮かび上がったのだ

それからは村の行事に参加したり 祈祷や法要は断らなかったという また村人にも好かれ善鬼という名前は名乗りはしたが 鬼坊さん 鬼坊さんという愛称で呼ばれるようになり 善鬼も呆れつつもそれでよいと

なり 生涯その愛称で通し続けたのだ

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