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フランコ・ロッソ
2024年6月12日 17:33
昔々、今の埼玉県あたりにみのがし様という小さな社があった。この社は盗人勘三郎という名の知れた泥棒を神として祀っていた。盗人勘三郎とは、元の名を佐倉の勘三郎と言い、直訴し果てた佐倉惣五郎を信奉していた故に佐倉と勝手に名字をつけていた妙な盗人で、盗んだ銭を5両だけ残しては貧しく身売りをしなければならないような家に紫の布に包んで置いていくような処があった。だが、勘三郎も歳をとり足がついてしまった。代