小説/おめでとう。卒業と、
卒業の季節、イコール絶望。
卒業式って何だろう。結局一度も参加してないから分かんない。ただ通う場所が変わるだけで、毎日やることは変わらないじゃん。
一体なにから卒業すんの。一体なにが おめでとう なの。
新宿に向かう夜行バスの、カーテンをそっと開けて外を覗く。
景色は真っ暗で何も見えない。こんなド田舎だからダメなんだ。腐った人間ばっかりだ。
すれ違うヘッドライトの数も多くはない。こんな時間だもんね。
もうすぐ日が変わる。
私の誕生日がやってくる。
そう思うと、吐き気がする