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【エッセイ】今日得た感情は悲しみだったみたいだ

さよならは突然だ
いつかはさよならするものだけど、それが早いと調子が狂う

今日もそうだった
退職をほのめかしていたあの子が退職することを伝えてきた
いつかはと思っていたが想像より早い

いつもそうだ
僕が思っているよりも世界は早く回っており
僕が思っているよりも時間は早く進んでいるようだ

僕が思っているよりも人はいろんなところで絡み合っていて
僕が思っているよりも人は残酷だ

社会人になってこれほどまでにさよならが多いとは思わなかった
学生時代には一斉にこんにちはをして、一斉にさよならだった
だから悲しみも一度で済む
でも社会人では違う


僕はまた一つ悲しみを得てしまった

たくさんの喜びを一緒に共有できたあの子
たくさんの不満を一緒に笑い合ったあの子


いつもそうだ


心にぽっかりと穴が空いたようだ


人生はよくゲームに例えられる
もしそうだとしたら、これも一つの試練なのだろうか
倒さなくてはならない敵なのだろうか

人は一期一会とは言っても

せっかく仲良くなれたのに・・・と思ってしまうバカな僕


僕は見送ることが多い
残されたものの務めを果たすことが多い
うんざりすることが多い
悲しみを感じることが多い

またまた悲しみが膨れ上がってくる


悲しみを受けた分だけ人が強くなるのなら
また一つ強くなってしまったようだ


でも、いつになったらこのぽっかり空いた心の穴を埋めることができるのか
どれだけ強くなればこの穴はなくなるのか



退職するあの子が言っていた
「チャンスを掴んだ」と


チャンス、、、か


退職するあの子には心の穴はないのだろうか




私もいつかは見送られる側

その日にはどう思うのか

やはり悲しみを感じるのか
清々しい気持ちか

今はわからないし、どうだっていい

言えることはこれからもずっと
この悲しみを感じ続けながら生きていくということ

残酷なこのゲームを楽しむために
この真理は忘れないでおこう

退職するあの子が残してくれたこの感情を無駄にしないためにも
そして、いつかはこの心の穴を埋められる人に出会えるように









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