映画「ザ・クリエイター 創造者」


directed by Gareth Edwards
starring : John David Washington, Gemma Chan, Ken Watanabe, Sturgill Simpson, Allison Janney, Madeleleine Yuna Voyles

2075年、人間を守るために開発されたはずのAIが、ロサンゼルスで核爆発を引き起こした。人類とAIの存亡をかけた戦争が激化する中、元特殊部隊のジョシュア(ジョン・デイヴィッド・ワシントン)は、人類を滅亡させる兵器を創り出した「クリエイター」の潜伏先を突き止め、暗殺に向かう。しかしそこにいたのは、超進化型AIの幼い少女アルフィー(マデリン・ユナ・ヴォイルス)だった。ジョシュアにはどうしても納得できないことがあった。愛し合った女性がいたのだが、彼女はAIを守るために差し向けられたスパイだったのか? 彼女は戦いの中で生死不明になってしまっているが、ジョシュアはある理由から、暗殺対象であるはずのアルフィーを守り抜くことを決意するが……

AIが暴走し、全人類を敵に回して戦争が始まり、人類は絶対絶命のピンチ・・・というのが、今までのSF映画の王道のストーリー展開だった。感情を排除したAIは冷酷無慈悲に情け容赦なく人類を狩る・・・という定番の図式。

ところが、この「ザ・クリエイター」では、冷酷無慈悲で徹底的に「排除」に走るのは人間の方で、AIとともに生きることを選んだアジア系の「人間」すら、「敵に味方する人間は皆、敵だ」と殺戮する。「ノマド」と呼称された、成層圏から爆撃する絶対兵器・・・・大きな翼を広げたアルバトロスみたいな格好で、荘厳さすら感じられるほど、そのフォルムは美しい。
  AIの姿は、人間の耳の位置に大きな穴のある風貌で、だいぶ以前にスピルバーグの映画「A.I.」に出てきた感じに似てる。
 AIとともに生きる民はアジアの人々といった感じで、西欧VS東洋??
    流れを受け入れて、違いを受け入れて、ともに生きる・・・というのは「一神教」とはちょっと違う文化だ。八百万の神・・・日本とか、ネイティブ・インディアンとか・・・
そういうの、ほっとけばいいのに、ほっとけないで排斥とか攻撃とかに走るのが「一神教」の「さが(性)」なのか・・・
超進化型AIは幼児の姿で、イノセントな状態・・・それを守ろうとするのは、本能だよね。
  そういう流れになればいいのに、何か本作は、どうも「一人の男が躍起になって消えた最愛の女性を何がなんでも探し出す」みたいな、個人的突っ走りが主軸になってしまって、なんか辟易してしまう・・・
  なんか恋愛感情がギラギラと表に出過ぎてて、未来のためにアルフィーを守るという清々しさが全く感じられないのが、残念・・・

 造形美は素晴らしく、アジアの人々の生活が海と共に島で暮らす人々だったり、チベットみたいな風景だったり、なかなか湿度を感じさせたり、土とともに生きる人々だったり、その質感がとても作り込まれていて、印象深かった。AIとともに暮らす集落の人物として、渡辺謙が出てたけど、武士のように具足をつけた格好で・・・というのが存在感があった。

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