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建築倉庫:WHAT(美術館)「Art de チャチャチャ」展@寺田倉庫


最近、よくその名をFacebookやWEBの美術手帖で見る「寺田倉庫」
私の中では「品川=原美術館」でしたが、今はもう、あの大好きだった原美術館は閉館してしまって・・・以来、品川には足が遠のいてたんですが。
りんかい線の品川シーサイド駅近くの、なかなかリーズナブルなホテルに泊まって、寺田倉庫へ。やっぱり同じ東京でもりんかいエリアはすごく広々としていました。たぶん、東京オリンピック絡みでこの辺はいろいろ開発進んだ地域でしょうか、とにかく駅も駅構内のトイレもきれいなんでびっくり。

さて、噂の寺田倉庫・・・
オシャレ・モダン・シックの三拍子・・・玄人好みって感じします。
そして、ここにスタインウエイの商標が・・・へぇ〜知らなかった。

建築倉庫の方は写真撮影禁止ですが、とにかく玄人好みです。
これは建築を目指す学生さんはぜひぜひって感じです。建築モデルがずら〜っとって感じで、見せ方はいまいちなんですが、ぎゅ〜っと凝縮された感じ。
そして、私てきには、ここへ上がるエレベーターの内装がメッチャ気に入りました。錫箔を用いた装飾碧・・・これ、写真撮りたかった〜、ここは案内の人が必ず付いてこられるので、つまりは建築モデルを建築家さんから保管を任されている・・・という立場があるから・・・なんでしょうね。でも、このエレベーター内の装飾壁は見事でもう一回往復してみたかったです(再入場不可みたいでしたけど)

次に美術館「WHAT」での「Art de チャチャチャ」展
高橋龍太郎コレクション展。
これがまぁ、すごくご馳走!!でした。
小谷元彦、井上有一、杉本博司、橋本雅也、束芋、鴻池朋子、町田久美、岩崎貴宏、見附正康、桑田卓郎、須田悦弘、横尾忠則、森村泰昌、リーウーハン・・・ああ、もう、涎が出そうなぐらいの作家ラインナップ!!
鴻池朋子さんの、この襖絵・・・黒で描かれる髑髏、そして鹿(今回は狼ではなく、鹿)、静謐な世界・・・「死」の雰囲気が伝わってくる・・・鴻池朋子さんの一番好きなタイプの作品・・・です。これが見たかった。この絵がフェイスブックで紹介されたとき、もうこの絵のために「寺田倉庫」まで行く!と決めたんです。

現代アートの作家さんは今を生きている・・・だから、現在世の中で起きた事象と無関係ではいられない・・・震災、災害、事件、世界のどこかで起きている戦争
鴻池朋子さんは、東日本大震災を機に、それまでの絵を描けなくなった・・・と。
「死」を「時間を忘れて遊べる世界」という表現もされていたけど、何万もの人たちが災害に遭い、2万人という人の死が起きた震災を目の前にして、それまでの絵から一変した作品を作られています。たくさんの動物たちを描き、生の躍動感が感じられる絵が多くなっています。
それはそれで、作家さんの変化が見られるのが現代アートを目の当たりにしているってことなんですから、素晴らしいこと・・・ではあるけれど、でも、私は、一ファンとして、どうしても、その前の時期に描かれていた「死」を感じさせる、あの静謐な絵・・・を見たかった。

その絵を所有されていて、その作家のある時期を留めて保管しているという「コレクターさん」の存在、この展覧会を見るまでは私の中で「コレクターってしょせん、お金持ちってことやん、自分とはかけ離れた世界の人」という認識でしたが、ほんとに、今回は「ありがたい存在」と強く強く認識したわけです。
作品集という図録でしか会えないのかと思っていた、過去の作品、どうしてもどうしても「大好きだった、鴻池朋子さんのあの時期の絵」を直に見る機会があって、目の前でず〜っと見続ける時間があって、ほんとに幸せなひとときでした。

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