映画「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」


原題:Jeanne du Barry
directed by Maiwenn
starring : Maiwenn, Johnny Depp, Benjamin Lavernhe, Piette Richard, Melvil Pouoaud, Pascal Greggory

貧しい家庭に生まれたジャンヌ(マイウェン)は、その美貌と知性を武器に社交界へと入り込む。貴族の男性たちをとりこにしながらのし上がってきた彼女は、ついにベルサイユ宮殿にも足を踏み入れ、国王ルイ15世(ジョニー・デップ)との面会を果たす。二人は一瞬で恋に落ち、ジャンヌは国王の愛人となるものの、貴族階級ではない出自や、宮廷のマナーを無視したことなどから彼女は周囲に疎まれる。

この辺りの話は、「ベルサイユのばら」でも最初の方に結構出てくる話なので、それを頭に置いておきながら鑑賞。改めて「ベルサイユのばら」の素晴らしさ、池田理代子さんの力には恐れ入る。史実をどれだけ正確に伝えながらも、創作されたキャラクター、オスカルやアンドレを魅力的に描いていったか・・・フランスブルボン王朝は、このルイ15世の時が頂点で、その絶大なる権力者の愛人として、しきたりの厳しい宮廷において、自由に、さらに権力を欲しいままに過ごした女性・・・その紆余曲折の物語・・・
 主役のジャンヌを演じたのが監督ご本人で・・・まぁね、そういうことは珍しくないし。クリント・イーストウッドとか、監督兼主演とか、斎藤工や山田孝之さんも監督をしながら自身も出演(主役ではなかったかも?)とかよくあること。
ただね〜、今回は、どこからどうみても・・・あまりにジャンヌを演じるには、顔立ちがあまりに現代的すぎて、ドレスより、仕事をバリバリこなすハンサム・ウーマン的なスーツが似合いそうって思ってしまって・・・いや、確かに「ジャンヌは、娼婦という仕事をしてた女性」なんだけど、そして、途中に出てきた、国王と乗馬を楽しんだっていうシーンでもあったように、すごく活発な女性だったのでしょう。でも、18世紀の顔立ちじゃないやろってのが最初から最後まで付き纏ってしまった。
  彼女は実は母性にあふれた気質で、血のつながりのない、夫が他の女性に産ませた息子をかわいがったり、奴隷として連れてこられた黒人の子を可愛がって育てたり、すごくその辺は温かい女性だったのだろう。
 続いて彼女の後に、皇太子妃としてオーストリア皇女のマリー・アントワネットが、これぞ肖像画から抜けでたような顔立ちの女優さんだったので、なんかどうしても「現代女性的な顔立ちのジャンヌ」が不釣り合いになってしまって、もったいなかったなぁ。
 演技うんぬんより、そっちの違和感が大きすぎて先に立ってしまって、物語を楽しめなくなってしまう・・・やっぱり配役を最後に決断するのは監督だと思うし、その辺、もっと最適解があったはず!と思うと残念。
  
 ルイ16世が実はジャンヌ・デュ・バリーに対して親身で親切に振る舞ったという部分、なかなか印象的でした。でも、肝心のルイ16世の風貌が、これまた現代の「イケメン」と背が高い俳優さんで、なんかどうしても違和感!違和感!!
 
 ジャンヌが宮廷に上がってから、ずっと影から支えてきたラ・ポルト役のバンジャミン・ラヴェルネが、なかなかに上手かったなぁ。ジョニー・デップよりもこの方の方が素敵だったなぁ。

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