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遺言9

1993年
部活中にあいつが死んだ。

倒立でバランスを崩し1時間後にあいつが死んだときいた。

しかし、それは嘘だった。

学校は部員たちに隠蔽するように言う。
練習中バランスを崩し失敗して死んだことにするよう仕向けた。

実際は同じ野球部員にお腹を蹴られ死んだ。

17だった。
もう30年前か。

あいつはうちに来て
母の作る大きなおにぎりを食べてニコニコしていた。

おにぎりを少しちぎり
うちの犬にわけていた。

それから仲良くなった
うちの犬とあいつ。
顔もどことなく似ている。

17で75歳のうちのおばあちゃんと話が合うあいつ。

あいつはどこを旅してるんだろう。

これ読んでるかな。

あいつを思うと
そりゃ心苦しくなる。

初めて涙出たな。
こんな年齢になったからだ。

あいつはどこに消えたんだ。

全て忘れてちゃんと帰れただろうか。

いのち短し。
命短すぎあいつ。

いのち短し
生まれ変わっても、また友達になりたい。

淋しいよ。
友達になってくれてありがとう。

もう一度言いたい
そろそろ生まれ変わってこいよ。

そしてもう一度友達になろう。

そろそろ現れてきなよ。



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