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【衝撃の実写化】リトル・マーメイドを忖度無しに語る!あなたはこれをどう観る?

こんにちは、リモコンRです。
少し前の話にはなりますが、ディズニーが進めている実写映画化シリーズにて、ついにあの人気作『リトル・マーメイド』が公開されました。皆さんはご覧になりましたか?世界中のファンが待ち望んでいた待望作がついに来たか、といった感じでしたが、早々に主人公アリエルのキャストが従来の作品のイメージを崩している…といったことで物議を醸しました。これは日本でも同様で、公開前にもかかわらず低評価の嵐でした。
ただ、作品の価値は自分で観てみないと判断できません!
ということで鑑賞してきましたので、自分の正直な意見をここに書いていこうと思います。今回は事前にアニメ版を鑑賞し、こちらと比較しながらの評価となります。また、なるべく先入観もなしで観ようと心掛けたつもりです。

気になったところ

やはりアリエルではない…

はっきり言って、ディズニーが作り上げた「アリエル」というキャラクターとは別物でした。ただこれは決して肌の色の問題ではない、と言っておきます。そもそもアリエルとはどういうキャラか。プリンセスにありがちな天真爛漫で表情豊か、好奇心旺盛でまだ幼い愛嬌がありましたが、これが実写ではほとんど無かった…。アリエルを演じたハリー・ベイリーは目つきが鋭い印象を受けます。岩の陰から顔をのぞかせるシーンははっきり言って怖かった。そして表情が硬い。これが今作では致命的でした。『リトル・マーメイド』では中盤に舞台が陸の世界に移りますが、そこではアリエルにセリフがありません。いうまでもなく声を奪われているためですが、それではどう感情を伝えるのかというと、もちろん表情です。しかし先ほど述べた通り表情は硬くほぼ無です。よって心情は観てる側が推理しなければならないという状況に…。頭の上にずっと❓が浮かんでいるように見えました。

そして髪型です。キャストのこだわりでドレッドヘアーのまま撮影したみたいですが、水中ではふわっと広がり気にならなかったものの、陸に上がってからはあのふわふわした髪がペタッとしてしまい、やはり怖い印象に。フォークの使い方を知らないアリエルが髪をとかすのに使う、といったシーンもドレッドに絡まり痛々しく見えます。
歌唱力は歴代でもトップクラスで聞きごたえがありました。が、総合的に見てこの人よりも良かった人はオーディションに本当にいなかったのでしょうか?制作側のインタビューでこの人しかいない!といった感じでしたが…。

個人的にですがわたしは、映画は「キャストのありのままの姿」を見せる場ではないと思います。人の個性を重視するがあまり、それはやめた方がいいと止めることができない風潮が映画にも影響しているのではないかと思います。

海の底に嫌気がさしているって本当?

気になったのは代表的な劇中歌「under the sea」の最中。この歌は、海底に飽き飽きし陸の上の世界に憧れているアリエルに対し、王国の中間管理職ことセバスチャンが「海の中も素晴らしいでしょ?」と他の生き物たちとともに歌とダンスで引き留めようとするものです。歌の終わりには、アリエルは姿を消してしまうので、そんな思惑も失敗に終わるのですが、大事なのはアリエルはやはり海ではなく陸の世界を選ぶということです。ですがこの歌の最中に、アリエルはノリノリで歌に参加してきます。「素晴らしい」と満面の笑みで歌っています。案外楽しんでいる?と思いましたが、歌の終わりには同様抜け出してしまいます。ここの行動には一貫性がなく、めちゃくちゃです。歌で心情を表すミュージカル映画でかつ屈指の人気曲でこれをやってしまうのが残念でした。

隠しきれないポリコレ

アリエル役のオーディションの際、制作陣は「人種的配慮を理由に選考は行っていない。」と述べていました。アリエルに最もふさわしい人を歌や演技力のみで審査したものと捉えますが、映画を観るとどうもそうは思えません。前述したように演技力はないですし。となるとやはりこの人選にはポリコレ思想が関わっていることが明白です。また人魚には白人、黒人、アジア系など多様な人種が存在し、実写オリジナルキャラクターとして王子の母セリーナが登場しますが、王子は白人なのに母はあえて黒人にしています。

従来通りではなく、こういった新しいリトルマーメイドのイメージもあるということを表現しようという考え自体を私は否定しません。しかし、なぜそれを隠してしまうのか。悪いことはしていないのに、従来のイメージとは違う方をオーディションでは選びましたとはっきり言わずにこそこそしている方がよほど差別的だと思います。

ここまでは悪く感じてしまったことを書いてきましたが、もちろんよかったところもいくつもありました!

良かったところ

アリエルと王子の馴れ初め

実写化に伴い尺が増えており、その増えた分を何に割くのかが気になっていたところでしたが、使いどころはアリエルとエリック王子の馴れ初めでした。ここはアニメを見ていて思ったのですが、王子はなぜ声の出せない少女にあそこまで肩入れしていたのか、甚だ疑問でした。自分を助けてくれたであろう人と天秤にかけてしまうほどなのか?と。ただ今回は、民族文化に興味がありながら、そのことを周りからあまりよく思われていなかった王子が、陸の文化に興味津々だった少女(アリエル)に関心を持つ、といったシーンが追加されていた。これで今ここにいない命の恩人とそばにいる趣向の合う人、そんな二人の間で王子が揺れる…こういった補足はキャラクターの心理により没入しやすくなるいい追加であったと思います。

圧倒的ヴィランの迫力!

キャラクターとしてのインパクトはアースラが群を抜いていました。歌もさることながら、アニメからそのまま出てきたかのような再現度。本当にタコのような足が生えているのではないかと思ってしまうような身のこなし。映画が終わってからもしばらく頭から離れませんでした。またアリエルの声を使った地上でのアースラの姿、ヴァネッサも引けを取らずのインパクトでした。登場時間はわずかだったと思うのですが、あの妖艶な表情が印象強かったです。セバスチャンやエリック王子も歌から演技まで総じて良かったのですが、今回はヴィランがずば抜けていたように思います

まとめると…

観終わった後の感想としては、名作になるポテンシャルがありながらいくつかの点で足を引っ張ってしまい、結果凡作になってしまった映画。そう感じました。脚本自体は原作を壊さず、加えるべきところを適切に足していたところはとてもよかったのですが、せめてアリエルに愛嬌があれば変わっていたのだろうと思いますが…。

いかがでしたでしょうか。今回はやや批判が目立つ感想になってしまいましたが、難点は明確でした。少数派への配慮が先行しすぎなのです。何よりもそこを重視するがあまり、映画として大事にすべきところをないがしろにしてしまっているイメージです。最近のディズニーの作品はどれも「もったいない」ものばかりで、寂しいものがあります。その方針を批判はしませんが、もう少しうまく付き合っていただきたいと思います。今後に期待したいですね。

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