見出し画像

エホバの証人の母と不倫クズ父の元に生まれた私の高校選びはこうなる

もう、かなり昔の話になるが、
中学3年の時、母に言われた。
「トト、高校まで行かせてあげるけど、
公立で自転車で通えるところね。
滑り止めは受けさせてあげるけど、
私立は払えないから公立に落ちても行けないわ。
定時制にでも行って、働きながら通ってね。
その時は家にお金を入れなさいね。」

うん、ツッコミどころしかない。

いつも母は「高校までは出してあげる」と
偉そうに言っていた。

小さい頃から言われていたし、『エホバの証人』は
大学進学などを推奨してないし(知識を入れ賢くなってもらっては困る為)そもそも貧乏だから高校まで出せば『一丁上がり』なのだろう。

制服が可愛い高校があって、そこなら合格ほぼ
確実だったけど母は周りに自慢できる高校が
良かったのか、イチャモンを付けてきた。

もう、高校までしか行かせる気がないなら、
進学率とか関係ないし、合格確実じゃないと、
私は定時制に行かされるんだからもう、
好きにさせてくれと思ったけど、
そうはいかないらしい。

結局母の希望通りの高校に行くことに決めた。

担任の先生に、話があると伝えて
放課後話しに行った。

「先生、うちはまだ離婚してないけど、
父親は女を作って出て行ったから、貧乏です。
だから公立にしか行かせてもらえないらしい。
滑り止めは受けさせてあげるけど、
落ちても私立には行かせられないと言われました。
落ちたら定時制に行って、働きながら通えと言われた、だから、公立に受かりたいです。」

男の先生だったけど、家庭の事情ってやつは
何一つ話してこなかったから、丸い目を更に
丸くして驚いていた。
頭の中で大急ぎで状況をまとめていた様子で、
「トト、安心して受験するために滑り止めに
行かれるように、お母さんに話さないといけないね。」と、おぼっちゃまと噂の通り
『素直な』答えだった。

「それが出来ないから先生に相談に来てるんです。
公立が落ちたら定時制です。
それだけ言いに来ました。さようなら」

同じ部活の同じグループだった友達は、
みんな私立の「単願推薦」で、1月末にはみんな決まってた。
うちでは絶対に無理だ。
『私立=悪』くらいの扱いの私立にこぞって
行くんだ。私はやさぐれた。
生まれてきた家間違えた。
公立に落ちてもないのに第一志望で「私立」を
選択できるなんて、みんなしてどんな富裕層なんだ。
みんなずるい、ずるい、ずるい。
心の中は真っ黒になった。

今でもその周りが決まって浮かれ気分なあの空気感は覚えていて、
思い出すと胸がヒリヒリする。

私が高校に行く(当たり前)と知ったエホバの証人の中年の姉妹は、私に近づいてきて
「トトちゃん、聞いたんだけど高校に行くの?
あなたの家はお父さんも出て行っていないし、お母さんを助けてあげなきゃならないわよね。
進学は諦めて、働きながら宣教活動をするのは
どうかしら?」と言われたのだ。
う・る・さ・い、黙れ!

エホバの証人は子は親に仕えるべきみたいな考えがある。毒親たちは自分たちに都合のいいその教えが大好きで、ことあるごとにそれを強いる。

母も高校まで出してあげると偉そうに、どや顔でいつも言ってたけど、
そんなん普通だし、高卒で高収入なんて望めないのに、ものすごい見返りを求めてくるのだ。
搾取だ。ぴったりな言葉だと思う。

私は、「落ちたら終わり」のスリル満点の 
公立一本の受験に合格した。
合格発表で号泣したけど、
行きたかった高校に受かったからではない。
普通の高校生になれるからだ。

私も友達のように
「行きたいと思えた高校が私立で、
帰りに寄り道もできるし、制服も可愛くて
お母さんとここなら楽しく通えそうだねって
決めたんだ」
なんて、悪い物なんて見たことがないであろう、
キラキラした目で言いたかったよ。

私なんて交通費が払えないと言われて自転車で
通える近所の高校に、通いながら
バイトする毎日がもう見えてるよと
友達に悪態つきたかったけど、微笑んでおいたよ。

その友達とは今でもみんな友達です。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?