見出し画像

【小説】 愛の形ってなんだろうね

「私たちって、幸せなのかな。」

ベッドの中でまどろむ二人。

仕事に疲れ切った私たちは、半ば夢の中を泳ぎながら、ベッドの中に横たわる。

大きい朝顔を彩ったサラサラなタオルケットの中で、一糸まとわぬ姿で抱き合う二人。

子供も大きくなり、やがて迎えるであろう老後生活を前に、改めて新婚生活を迎える気分だ。

「う、うん。どうだろうね。」

くるりと回転し、背中を向けるカレ。

男性という生き物は、どうしていつもこうなんでしょうね。

男性って、射精行為に快楽が伴うというけれど、ゴールに達すると、必ずといっていいほど、女性を求めなくなる。

女性が心を開くまでは、あれほど熱心に追い求めてくるクセに。

女性の側が、「愛」の話を持ち出すと、必ずと言ってイイほど、背中を向けるのです。

「ねぇ~、言ってよ!私たちって幸せなの?」

「う、うん。オレは、キミと結婚できたことに何ら不満はないよ。むしろ、ありがたいと思っている。」

照れくさそうに語るカレ。

今まで20年以上、一緒に生活してきたけど、たぶん、はじめて聞いた言葉だ。

これは想像なんだけど、男性にとって、「愛」を語るという行為は、男性としての本質に反するのかもしれません。だからこその「照れ」なのかな。

そんなカレから、はじめて聞いた言葉。

うれしい😆
めちゃくちゃうれしい😆
飛び上がってガッツポーズしたい位うれしい😆

私の結婚観として、平安時代の「通い婚」を理想としています。

付かず離れず、さみしくなったら、お互い寄り添えばいいんです。

また、「自由恋愛」も当初から宣言しています。

深入りはしないけど、軽いお付き合いくらいなら、既婚者でも、異性との交流はありだと思います🥰

あくまで、広く浅くが原則です。

逆に、お互いが依存し合う関係になった時が危ないんです。100%相手を支配できるわけがないんですから、共依存に陥ってしまうと、必ず関係は破綻します。

そんなことを考えていると、カレの寝息が聞こえてきました。

あら、もう寝ちゃったのね💕

白髪の混じる太いうなじに、そっとキスをする。

これが、うちら夫婦の「愛の形」♪

お墓への道のりが、少しずつ見え隠れしてきているけれど、それでもずっと一緒にいようね♥





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?