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「だんない」人生のために『サクラクエスト』を観よう

2017年に放送されたP.A.WORKSのお仕事シリーズ第3弾となったTVアニメ『サクラクエスト』を皆さん観ましょう、という記事。

東京での就職活動に苦戦していた主人公・木春由乃は、以前アルバイトで登録した派遣事務所からの依頼をよく知らずに引き受け、かつては観光客で賑わっていたが今では寂しくなってしまった間野山市で1年間ミニ独立国の国王を務めることになる。由乃は間野山で出会った四ノ宮しおり、元女優の緑川真希、商店会会長の孫の織部凛々子、WEBデザイナーの香月早苗たちと共に間野山を再び活気づける町おこしを企画していく観光ストーリーである。

伝統工芸の宣伝、イベントの誘致、B級グルメの開発、シャッター通りとなった商店街の展開、市内バス廃止、施設の再利用など、現実でも起こりうる問題を由乃を中心とした大臣たちが力を合わせて取り組んでいき、同時に自信達の成長にも繋げていく。

それまでのお仕事シリーズ『花咲くいろは』『SHIROBAKO』で描かれたリアルとアニメーションのリンク性に、さらにリアル感と共同体の促進を丁寧に描き、地に足ついた魅力的サクセスストーリーは、より自分を投影しやすくなっており、物語を追い切ったときには達成感を味わうことが出来る。

鮮やかかつきな臭い丁寧な魅力の中に、これでもかと我々の懐に入れるべき人生のヒントがさりげなくつまっているのも魅力の1つだ。

由乃は、間野山の町おこしを取り組む決断をした際、

「間野山にしかないなにか、みんなの心にずっと残り続けるなにか、
 それがなんなのか、国王になったばかりの私にはまだ分かりませんが、それをこれから1年かけて町の人たちと見つけていきたい」

と語り、仲間たちと文字通り手探りで状況打破に勤しんでいく。

そして、普通とは言えない様々な仕事を通していく中で由乃は町おこし、そしてビジネスの実態に気づいていく。

「多数決で物事が進められてそれが誰かの犠牲の上に成り立つものなんだったらそれはもう町おこしではなくただの開発」

「普通じゃない仕事もそれが毎日続けば普通になるし、普通の仕事だってそこに刺激を見つけられれば普通じゃなくなる。確かに東京は色んな刺激に溢れてるけど、外から与えられる刺激じゃなくてどこにいても自分で探せる刺激もあるどんな仕事だってその中に自分で刺激を見つけてどんどん面白くしていけばいい」

そんな由乃や仲間たちの歩みには全体を通して共感・支持していき、いつのまにか自分も町おこしに協力しているような気分になり、それを飛び越え自分自身を起こす、興すことへ前向きになっていく。

そしてこのアニメは、数あるアニメの中でもオチの決まり具合が心地よいアニメ作品であることも推したい。完走したらわかる魅力にあふれている。

『サクラクエスト』を完走したことを、自分の武器にしていこう。

どんなことがあっても「だんない」(構わない、大丈夫)人生をクリアしていくために。





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