現代文を解きながら読みたい本を探していた
「国語のプリントに出てきた作品に子どもが興味を持ち、『同じ作家のほかの作品も読んでみたい』というので、すぐさま購入した」という趣旨のポストをSNSで拝見しました。お子さんの関心が「読解問題の題材から読書に繋が」ること、そしてお子さんの「読みたい」という気持ちを大切にされる親御さん。すてきだなあと思いました。
読解問題をやっていて「この作品を本で読みたい」と思ったこと、私もあります。高校時代、現代文の試験や問題集に出てきた文学作品やエッセイがおもしろいと、あとで本を探して読むためにタイトルと作家をメモしていました(試験のときは終了後に)。そもそも現代文の問題として客観視すべきであって、出典に注意を向けている場合ではなかったと思うのですが、問題として取り上げられた抜粋部分だけでなく全体を通して読みたいという興味が抑えられず。でも、受験が近づいていた当時、趣味としての読書に割く余裕は精神的にも物理的にもなかったので、それらの本を実際に手にするため行動を起こすことはほとんどなく、メモばかりがたまっていきました。
いつか読めるときが来たら読もうと思い、しばらくそのメモを財布に入れて持ち歩いていましたが、結局読むタイミングを逃し、いつしかメモもどこかにいってしまいました。この経験から「本は読みたいと思ったときが読みどき」と学びました。といいつつ、積ん読もたくさんあるし、読みたいリストも伸び続けているのですが。
メモに記した作品名も、いまではすっかり忘れてしまいました、唯一おぼろげに記憶に残っているのが、タイトルに「雛(ひな)」か「鶸(ひわ)」が含まれていた作品です。女性作家の文章だったように思います。
その作品のことだけ覚えているのは、試験後に「本で読んでみたい」と友達に話したら、「え〜、私あれすごく嫌だった〜」という反応が返ってきた記憶が鮮明にあるからです。ちょっと陰鬱だったので、万人受けしないような作品ではありました。受験の緊迫感に包まれつつあった私は、その薄暗さにひかれたのかもしれません。
「雛」「鶸」「鶸色」などで検索してみましたがこれという作品は見つからず、ぼんやりとした積ん読が心のなかにひとつ増えました。こんな作品にお心当たりのある方いらっしゃいましたら、ぜひお知らせください。
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