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185冊目:グッド・ライフ

感想

いくら文明が進歩しても、ヒトが仲間とのつながりを求める動物であり、孤独がストレスや病気を引き起こすことに変わりはない。きれいごとに聞こえるかもしれないが、人間には、栄養や運動、人生の目標と同様に、仲間が必要なのだ。

100年前に遡ると1923年には関東大震災があり、翌年から帝都復興に向けてインフラ整備などが急ピッチに進んでいた時代である。この時から時代は随分進歩しているが、今年早々に発生した輪島市の地震を見ていると、人とのつながりによって、助け合う光景はどれだけ時代が変わっても変わらず見れるのと思うし、そういう世の中であって欲しいと願う。

どれだけAIが進歩しても、そこには人と人のつながりがあるだろう。ただ、日々の生活では当たり前なことが、窮地に立つことでより実感できると考える。地震後のニュースを見ていて、水のありがたさを実感した、と見たが、頭では理解できても、心からの理解は難しい。

健全な人間関係を築く際、本当に必要な人は中々接点が持ちにくいという場合もあるかと思う。自分のライフスタイルや仕事スタイルが小さな領域で完結しているとその傾向が現れるのではないだろうか。そうなるとそのスタイルを再デザインする必要がある。つまり、スタイルは何もしないと楽な方に流れ、衰えていくため、常に自分をアップデートする動きが必要だろう。

そう考えると、今の生活に疑問を持てるよう客観的に自分を捉えることが、グッド・ライフには重要なことではないだろうか。

メモ

■1938年にスタートした「ハーバード成人発達研究」によると、喜びに満ちた人生を送るための条件は良好な人間関係だ。社会的成功や運動習慣、健康的な食生活も重要だが、良好な人間関係はもっと明らかに、もっと絶えることなく重要性を発揮していた。

■他者との交流の頻度と質こそ、幸福の二大予測因子である。

■心身の健康には運動が必要であるのと同様、「ソーシャル・フィットネス(健全な人間関係)」にもメンテナンスが必要だ。何もしなければ人間関係は衰えていく。

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