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118冊目:仮説思考

感想

この本が20万部も売れたのは納得感がある、まさに良書だ。

一般に企業はできるだけたくさんの情報を集めてから、意思決定しようとする傾向が強い。経営陣から社員まで大半が情報コレクター(網羅思考)になっている。

Flierから抜粋

情報コレクターに対する私の偏見は、大人数を集め何回も打合せを行い、
何度も議論を重ねてから意思決定をする。このプロセスを半年・一年掛けて
取り組む。意思決定に具体性がなく、で何をするの?となる場合がある。
これを様々なグループで行なっているが、何の違和感もないのだろうか?
あまりの悍ましさに私は気が狂いそうになる。
限られた時間とお金をそんなに溶かして、罪悪感がないのだろうか?
この傾向があるのは、一歩を踏み出すのが怖いのだろうか?赤信号、みんなで渡れば怖くない、という集団合意欲求が働くのだろうか?

「いろいろな可能性が考えられる段階で、大胆に1つのストーリーをつくり上げたりしたら、重大なことを見逃し、間違ったストーリーを作ってしまうのではないか」と心配する人がいる。だが、それは杞憂だ。そのような場合には、ストーリーの証拠集めをした段階で、仮説を肯定する証拠がなかなか集まらない。そして必然的に自分のつくったストーリーが間違いであることにすぐ気付き、初期段階であることから、余裕をもって軌道修正ができる。

Flierから抜粋

この心配に対する的確なアンサーをした人を見たことがない。自分も上手く説明できたことがなかったため、これは是非参考に覚えておきたい。

上手なディスカッションをするためには、必ずあらかじめ仮説を立てておくこと、仮説を否定せずに進化することを目指すこと、相手の意見をよく聞き「議論に負けて実を取る」こと、ディスカッションのメンバーをバラエティ豊かなものにすることがポイントだ。

Flierから抜粋

上司から褒められたことがあるが、私は必ず資料を準備し、自分なりの答えを用意して提案する。そこで他者の力を借りて多角的な視点から意見を貰い、仮説の精度を上げつつ、関係者を味方にしていく。
偶に準備不足(資料なし・答えなし)、議論しようという人がいる。
これが一発退場レベルだと気づかない人は救済の余地がないかもしれない。

ビジネスにおける課題解決は石油採掘のようなもの。よい仮説は経験に裏打ちされた直感から生まれる。仮説を立てるには経験を積むことが大切だ。少ない情報でよい仮説を立てられるには、経験を重ねるしかない。

Flierから抜粋

過去にPCキーマンという仕事を担当した。キーマンには突然PCトラブルを抱えた人が訪れ、解決を懇願してくる。この時に『多分これで解決するんじゃないだろうか?』と思い試していた。これを繰り返すうちに、一発で解決する確率が向上した。
PCキーマンとしての私の行動は仮説思考で実験的に検証を行い、解決できない場合は、自分なりに分析をする or 誰かに聞く(この本に当てはめるとディスカッションをする)をしていた。

つまり、仮説思考とそれに基づくアジャイル開発をしていたわけだ。
なら私が取る行動は簡単で、これをあらゆる仕事で適用するだけだ。

メモ

■仮説思考を使えば、手元にあるわずかな情報だけで、最初にストーリーの全体構成を創ることができる。

■自分が作ったストーリー、つまり仮説を検証するために必要な証拠だけを集めればいいので、無駄な分析や情報収集の必要がなくなり、非常に効率が良くなる。

■仮説立案に定石はないが、脳をゆさぶるコツを身に着け訓練することで、ヒラメキを生むことができるようになる。

■脳をゆさぶるコツの代表を3つ挙げる。
 [1]反対側から見る(顧客視点、現場視点、競合視点)
 [2]両極端に降ってみる
 [3]ゼロベースで考える

■仮説の検証方法は、実験、ディスカッション、分析の3つがある。

■少ない情報から答えを出すという仮説思考が、初めからうまくいくわけはない。大いに失敗するべきだ。

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