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190冊目:22世紀の民主主義

感想

民主主義は国民に権力があり、自分も昔はそうなって当然だろうと思っていたが、劣化が起きるというのはまさにそうだなと感じている。SNSなど情報社会が進化した結果、一個人でも多くの情報に触れて考え方がそれぞれ異なるため、ベクトルの向きが多様になって推進力は鈍る、つまり経済成長が鈍化してもおかしくはないと考える。

一方でドラマ「リーガルハイ」であった民意とは?の回で、善良な市民が間違いを犯した者を袋叩きするのは、最近より顕著になってきたと感じる。子供でも分かるような正しさを振りかざすことに酔う大人が、SNSによって容易に存在が見えることで、さらに民意が膨れ上がりやすくなったのではないだろうか。

今後の社会や政治のあり方がこのまま進むとは考えにくい。ただ、自分が意識をしなくても、知ろうとしなくとも、それは進んでいく。そうなった時に損をすることが増えるかもしれない。何が自分にとって良いのか、自ら行動して理解していく、この姿勢は今後も継続したい。

メモ

■21世紀に入り、政治や政策が閉鎖的で近視眼的になる「民主主義の劣化」が起きている。

■民主主義と闘争する方法はいくつか考えられるが、既得権益者らが自らの地位を脅かすことはしないため、始めから詰んでいる。

■政治的に逃走をする「デモクラシー・ヘイブン」という考え方もある。だが、それは成金的発想であり、問題を根治することはできない。

■民主主義的意思決定における入力と出力の質・量を拡げる「無意識データ民主主義」は、無数の政策や論点に同時並行して対処できるため、かつてない拡張可能性と自由度を獲得できる。

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