ある明け方
夜を徹して、しっかりしているつもりの曖昧な頭で
尊敬している人に、尊敬していると伝えた
相手は、寝起きのぼうっとした頭でそれを受け取った
冗談だと思っただろうか
もう記憶にも無いだろうか
もっと真剣に伝えればよかったと、ほんの少し後悔があるけれど、普段の私ではそもそも伝えることすらできない
電気の消えた暗い部屋に、カーテンの隙間から朝日が差し込んでお互いの顔をぼんやりと照らしていた
世界も私達もすべてが曖昧で
柄にもないことを言ってもなんだか許されるような、やさしい薄闇だった
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