見出し画像

すべてを。
そのすべてを。

仕事中に涙を流していたひと。
いつも、硬い椅子をふたつ繋げて
仮眠をとっていたひと。
進歩の歴史を、家に持ち帰って
夜中まで編集していたひと。

溢れて、止まらない
まるで花びらのように。

わたしには言いたいことがあった。
沢山沢山言いたいことがあった。
泣いて、叫んで、わめいて。
すべてを壊したい。
そう思った。
あの時。本気で。
そして、今も心からそう思っている。

人間には、許されることと
許されないことがある。
わたしの目の前で起きたことは
許されないことである。
それは揺るがない真実だ。

どんなにどんなにどんなに……
彼らが素晴らしかったか。
どんなにどんなにどんなに……
そういう人たちを傷つけ
無視し、見下し、搾取したか。

言葉もない。
あまりの愚かさに
吐き気がする。

だから。
わたしは、このままおとなしく
飼われたりしない。

わたしの大切な人たちに対処したように
わたしも対処しよう。

何をされても
決して屈しない。

感情的にもならない。
感情なんてもう浮かばない。
なんの感想もない。

ルール違反をして
真っ黒にひっくり返されたオセロの
わたしは最後の白だ。

逆転勝利はない。
ここは黒の王国だから。
仲間も増えない。
仲間になるには、クビを覚悟しなくてはならないから。

それでいい。
わたしは唯一の邪魔な白でいる。

ずっと白でいてくれた
わたしの敬愛する仲間たちに
感謝の気持ちを込めて。

真っ黒の中に一点の
白としてとどまる。

ここだけでなく
すべての社会が黒だっただろうか?

それならばなお。
あなたが清いことが、際立つでしょう。

真っ白な花に
栄光あれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?