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【1982】LNGは輸入の際、採集から液化・輸送・受入までを一貫した体制のもとに推進するため、ひとつのプロジェクトとして形成される必要がある。中央集権的性格も強く膨大な資金も必要となる。

【1982年の卒論回顧】代替エネルギー開発におけるソフト・エネルギー・パス理論の有効性(13)

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3 燃料資源の供給確保
 
 今後、ハード・エネルギー・パスの方向に向かったとき、燃料の供給確保において、各種の弊害を生ずる。
 石炭においては、石炭需要の増大に対応した海外炭の安定供給を確保するため、産炭国における炭鉱開発、インフラ整備、コールセンター建設等、海外炭の一連の供給システム(コールチェーン)の確立をせねばならないし、国内においては、新たに石炭用の設備を建設せねばならない。また、石炭はハンドリングが困難なので、これを解決するためには、ガス化、液化が要求される。
 
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 原子力の燃料となるウラニウムは、〔表Ⅲ-1〕にあるとおり、「可採年数」が76年(注16)となっており、その生産量が限られているので、使用済み燃料の再処理をする核燃料サイクルを確立せねばならない。
 
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 しかし、いずれにしてもハード・エネルギー・パスをとるならば、日本は残されたウラニウムを現在のうちになるべく多量に確保しておかなければならない。
 LNGにおいては、輸入の際に、通常、天然ガスの採集から、液化・輸送・受入までを一貫した体制のもとに推進するので、いわゆるひとつのプロジェクトとして形成される必要があるので、やはり中央集権的性格が強く膨大な資金も必要とする。
 
第3章(注)
(1)村上薫編著「日本はいま何を狙っているか」144頁昭和56年山手書房
(2)社団法人日本広報協会編「明日をひらく石油代替エネルギー=その開発と導入=」45頁昭和56年社団法人日本広報協会
(3)社団法人日本広報協会編「前掲書」45頁
(4)村上薫編著「日本はいま何を狙っているか」144頁昭和56年山手書房
(5)村上薫編著「前掲書」145頁
(6)村上薫編著「前掲書」145頁
(7)社団法人日本広報協会編「明日をひらく石油代替エネルギー=その開発と導入=」58頁昭和56年社団法人日本広報協会
(8)村上薫編著「日本はいま何を狙っているか」144頁昭和56年山手書房
(9)通商産業省編「エネルギー81」106頁昭和56年電力新報社
(10)通商産業省編「前掲書」106頁
(11)通商産業省編「前掲書」106頁
(12)通商産業省編「前掲書」140頁
(13)通商産業省編「前掲書」142頁
(14)通商産業省編「前掲書」142頁
(15)通商産業省編「前掲書」144頁
(4)村上薫編著「日本はいま何を狙っているか」144頁昭和56年山手書房
 
(つづく)マガジン「ソフト・エネルギー・パス理論の有効性」に編綴

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