「地球沸騰」について【気になった記事のメモ】(51)

※6/8(土)8.09江守正多東大未来ビジョン研究センター教授

○人間の活動によりCO2など温室効果ガスが増加し続けているため、熱が宇宙に放出されにくくなり、地球に熱がたまり続けている。

○地球を冷やすエアロゾルが減少

 人間活動により、温室効果ガス以外に、大気汚染物質などの微粒子(エアロゾル)が大気に排出されている。これは、太陽からのエネルギーをはね返し、地球を冷やす効果を持つ。

 大気汚染を減らそうとすると、エアロゾルの冷却効果が弱まるので温暖化を促進してしまうというジレンマ。

 23年国際海事機関による排出規制 ⇒ 全海域でSOx(地球を冷却する効果を持つ硫酸エアロゾルの原因物質)が2割ほどに削減された。 ⇒ エアロゾル減少による加熱効果 ⇒ 「地球沸騰」の小さな要因のひとつ

○それ以外の自然の要因

 ・太陽活動が11年周期のピークにある。

 ・火山が噴火すればエアロゾルにより太陽エネルギーを反射し地球を冷やすはずだが、21年、トンガの海底火山噴火ではエアロゾルが非常に少なかった一方で、海中だったため大量の水蒸気が打ち上げられた。水蒸気の温室効果で気温を上昇させた。

○記録的高温が意味すること

 まず一時的に1.5度を超える年を経験し、それが徐々に頻繁に、あるいは連続的に起こる状態を経る。

 現在、我々は確実にその過程をたどっている。

○大気汚染対策により、あるいは気候変動対策としての化石燃料からの脱却で、人間活動によるエアロゾルの排出は減少し、気温の上昇要因となる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?