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ときどき日記(603)わいせつ教員公判に職員を動員

※2024/5/22読売新聞朝刊地域・社会

横浜市の教員による子供へのわいせつ事件の裁判に、市教委が地裁へ職員を大量に動員して傍聴させていた。組織的に行っていたことを認める。また「口止め」を指示していた。

不適切極まりないと断ぜざるを得ない。

まずこれを文書によって行っていたことだ。
その文書の稟議書は開示請求の対象になるものだということを失念している。この稟議書が決裁され決裁登録しないとその文書を発給できない。つまり発給した段階ですでに稟議書の存在が公になっていると言うことだ。文書や稟議書の存在が公になっているのに行動だけは隠蔽の体でやっているから馬鹿馬鹿しいとしか言い様がない。

また、部署ごとに傍聴可能な人数を事前に調整していたとも言う。こんなことをすれば部署間で忠誠を競い合うことになるのは必定で、本来業務をなおざりにしてでも動員人数を増やそうとすることになる。

で、文書には「集団で来たことが分からないよう裁判所前の待ち合わせは避けて」「裁判所内や近くでの被害者名、校名の口外は控えて」といった注意事項も設けられていたという。

「子どもの特定につながらないよう」にしたいなら、「公判が市と関連する事案と分からないよう配慮した」いなら、「被害者を保護」したいなら、そもそも公判の存在自体を周知すべきではなかったろう。ご丁寧に教育委員会全体に周知してしまった。何千人もの職員に周知したのだ。

被害者保護なら、それは裁判所が考えることで、必要なら非公開の裁判になったはずだ。公開になったとしても裁判所が被害者のプライバシーを保護したと思う。

「子供の特定や、プライバシーに関する情報の拡散を防ぐため」言うが、全部真逆だったということだ。

更に、のべ525人を動員したという。よく公務員は人員を割く場合、人件費は所与のものとして安易な人員見積もりをしがちだ。年収を時給に割り返すと、公務員は数千円の時給で働いていることが分かる。最も安く見積もったとしても、

525人×3000円×2時間=315万円

になる。動員にかけた金だけでもこんなになる。で、これが事件になってしまったから、報道対応や内部のすり合わせに相当ののべ時間がかかるはずだ。

カネ返せ。

出張手当も払われていたとの報道もある。

あきれる。

「職員をかばう意図ではない」ではなく、逆に、わいせつ職員をさらし者にして二度とわいせつ事件が起こらないようにするための動員であったと考えると真逆の行為が腑に落ちてしまうのは私だけか。

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