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阪神・淡路大震災の避難所(6)避難所に居住している人を神戸市は未だに把握できておらず、満足な名簿もできあがっていないのが現状らしい

9時頃から10時頃までは、館内の見回りに出かける。内容としては、主にトイレの見回りだが5日間居て出た結論としては、完全なる清掃は避難民のためにならないのでやめようということだ。なぜ為にならないかというと、ここはホテルではなく、何でもやってしまうと、避難民は寝たきりになってしまい、社会復帰ができなくなってしまうからだ。だから、酷いところだけ手を加えたに留めた。
 
10時から代表者会議に出席する。この会議は神戸市職員、各自治体からの派遣者の代表、ボランティアの代表者から構成され、1日の動きと作業分担を確認する。また、課題があれば神戸市内部の問題であってもここで公表されている。いろいろなエピソードなども情報として収集できた。
 
そこで分ったことだが、避難所に居住している人を神戸市は未だに把握できておらず、満足な名簿もできあがっていないのが現状らしいとか、避難所は最終的な絶対安全な場所ではないので避難所自身の避難体制を確立する必要があることなど、結構新鮮な情報を提供してもらった。
 
11時頃から牛乳の搬入、弁当の搬入と立て続けに作業がやってくる。
 
牛乳も弁当もパンと同様に、単なる倉庫(書道教室)へ搬入する。風通しも悪く、さほど寒くなく、ほこりも蔓延している。気温が上がったり、虫が発生する季節になれば、確実に病人が発生する。早く対策を・・・。
 
1時頃にはすべての食品の搬入が終わる。と、同時に各食品の仕分け作業に入る。夕方各班毎に受け取りに来るので、その班の人数に合わせて仕分けする。○○市の担当は体育館で生活する人、グランドで生活する人の班の食料でおよそ630人分の食料を仕分けする。おおむね、1時間ぐらいで作業を終える。
 
2時ぐらいから4時まで食事と休憩の長い休み時間だ。食事は前日配られた弁当を再び食べるか、こちらから持ち込んだ非常食を食べるかの選択を強いられる。酷かったときは、前日の配給を受けそびれたため外へ開いている店を探して、徘徊したこともあった。(当然ほとんど食べ物屋さんなんか開いていようはずがない)
 
食事が終わってからは本当の自由時間で各々好き勝手に時間を過ごした。被災地の様子を視察に行ったり(当然の事だが写真機など持たない)、コーヒーか何かを飲みに行ったり、肩肘は張らないことにした。
 
(つづく)

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