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たばこが肌に良くない理由

たばこの煙は化学物質を多く含んでいて,その数は百種類を超えると言われています。その中には,ニコチンのようにたばこに含まれる成分に加えて,たばこの燃焼や加熱によって生じるタール,一酸化炭素,アセトアルデヒド,およびベンゾピレンなどの有害物質があります。ちなみにアセトアルデヒドやベンゾピレンは発がん性物質です。

ニコチンは,少量では血管を収縮させ,量が増えると血管を拡張させます。このメカニズムは,ニコチンによってまず交感神経が興奮して血管を収縮させ,次に副交感神経の興奮によって血管が拡張するというものです。このニコチンの作用が皮膚に最悪の事態を招きます。すなわち,たばこの吸い始めに血管が収縮すると,皮膚への血流量が低下して十分な酸素や栄養分が皮膚へとどき難くなります。その後,吸い続けてニコチンの量が増えると血管が拡張して皮膚への血液量が増えるのですが,その時には,既にたばこの燃焼や加熱によって生じた一酸化炭素やアセトアルデヒドなどの有害物質が血液中に充満しているので,血流量が増えても皮膚の細胞へ栄養を届けるどころか有害物質を送り込むことになるのです。また一酸化炭素は酸素を押しのけてヘモグロビンと強固に結合しますから,血液中の酸素量も減少し,皮膚へ十分な酸素を届けることもできません。

さらに,一酸化炭素,アセトアルデヒド,ベンゾピレンなどの有害物質は生体内で活性酸素を生成します。その活性酸素は皮膚の細胞に傷害を与えるとともに,コラーゲンやエラスチンなど重要な皮膚の構成成分を分解します。それによって,皮膚の弾力はなくなり,水分保持能力も減少し,最終的にしわが増え,たるんだ肌になってしまいます。

たばこは,自分が吸わなくても,周りの人が吸っている煙を浴びるだけで害になりますから,たばこを吸う人には喫煙マナーをしっかり守ってもらいたいですね。

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