12章2部 貸し倒れ引当金
第3節 貸し倒れ引当金の設定
1⃣貸倒引当金の設定を理解するための前提知識
![](https://assets.st-note.com/img/1668810688713-t8D9Nm4meJ.png?width=1200)
CS貸倒れ見積もり高の算定
期末の売掛金勘定の残高10000円、実積率2%における貸倒見積高
→貸倒見積高=期末売掛金10000×実積率2%=200
![](https://assets.st-note.com/img/1668810962409-7KXN0tq2MS.png)
2⃣貸倒引当金の具体的処理①
売掛金の期末残高10000に対して実積率2%により貸倒引当金の設定をする
![](https://assets.st-note.com/img/1668811096989-wFHw5peraG.png?width=1200)
来年の費用を今年の費用にしたい!
仕分けが少し変わる
⑴決算整理仕訳
確定:貸倒損失(費用+)200 売掛金(資産-)200
↓
見積:貸倒引当金繰り入れ(費用+)200 貸倒引当金(資産控除+)200
![](https://assets.st-note.com/img/1668811423444-86KIwzPIDg.png?width=1200)
例題12-4
1.決算整理仕訳を行い、整理後の残高試算表を作成せよ
2.残高試算表を基に財務諸表を作成せよ
1.決算整理前残高試算表
借り方残高 勘定科目 貸方残高
35000 受取手形
42000 売掛金
2.期末売上債権残高の3%を貸倒れ見積高として貸倒引当金を設定する。
35000+42000=77000
77000×0.03=2310円 =貸倒引当金2310円
貸倒引当金繰り入れ 2310 貸し倒れ引当金2310
借り方残高 勘定科目 貸方残高
35000 受取手形
42000 売掛金
貸し倒れ引当金 2310
2310 貸倒引当金繰入
財務諸表
貸借対照表(資産負債資本) 損益計算書(収益費用)
受取手形 35000 貸倒引当金繰り入れ 2310
▲1050 33950
売掛金 42000
▲2310 74690 ▲1260 40740
直接▲2310ではなく、それぞれから引く
3⃣貸倒時の処理(期中仕分け)
3パターンに分かれる
![](https://assets.st-note.com/img/1668814417867-cj5UmpV8L2.png?width=1200)
①当期販売分の貸倒れ
決算を迎える前なので貸倒引当金を設定していない。
→貸倒損失(費用)を計上
②前期販売の貸倒れ(貸倒額<貸倒引当金)
前期に貸倒引当金を設定している。
→「貸倒引当金(資産の控除項目)」を取り崩す
仕分例12-4前期販売の貸倒れ(貸倒額<貸倒引当金)
前期販売分の売掛金160が貸し倒れた。 なお、前期引当金に200の貸引設定
貸倒引当金(資産控除-)160 売掛金(資産-)160
![](https://assets.st-note.com/img/1668814766514-89LP3Ef6oH.png?width=1200)
前期に既に計上しているから実際に貸し倒れても費用計上しない。
③前期販売分の貸倒れ(貸倒れ額>貸倒引当金)
貸倒引当額を超過した場合は「貸倒損失」(費用)の発生とする
![](https://assets.st-note.com/img/1668900266050-oL5Cz8pi5f.png?width=1200)
仕分け例12-5
売掛金250貸倒れ、前期に200貸倒引当金を設定していた。
貸倒引当金(資産-) 200 売掛金250(資産-)
貸倒損失(費用+) 50
例題12-5
仕分けを示せ。前期の決算整理手続きにおいて売掛金に対して貸倒引当金を3000設定している。
1.前期販売分の売掛金2500が貸し倒れた
貸倒引当金 2500 売掛金 2500
2.当期販売分の売掛金1200が貸し倒れた
貸倒損失 1200 売掛金 1200
3.前期販売分の 売掛金800が貸し倒れた
貸倒引当金 500 売掛金 800
貸倒損失 300
※前期の売掛金は貸倒引当金の設定がしてある。
期中の貸倒れはそのまま貸倒損失
※貸倒引当金は取引先が変わっても全体の%から取り崩すので
何時売ったのか?貸引きの残高に注目する
4⃣貸倒引当金の具体的処理2(差額補充分)決算
決算整理前において、「貸倒引当金」の残高が存在する場合
当該残高と貸倒れ見積高の差額分についてのみ行う。
→差額補充法を利用する。
貸倒引当金繰入=貸倒見積高-貸倒引当金の決算整理前残高
CS
前期の決算で貸倒引当金を200計上。当期に160取り崩した。
当期の決算において、売掛金の期末残高15000に対して実積率2%により貸 倒引当金を設定する。
![](https://assets.st-note.com/img/1668901525139-1TeUaygw8d.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1668901486727-7kdbdaS2Cz.png?width=1200)
<貸倒引当金繰入の計算>
貸倒れ見積高15000×0.02=300
貸倒引当繰入=300-40=260
貸倒引当金繰入 260 貸倒引当金 260
例題12-6
決算整理手続きを行う。次の資料に基づき、1.決算整理仕訳を示し、決算整理残高試算表を作成せよ2.当期の財務諸表を作成せよ
決算整理残高試算表
借り方 勘定 貸方
34000 売掛金
貸し倒れ引当金 90
期末売上債権残高の2%を貸倒れ見積高として差額補充法により貸倒引当金を設定する。
1.仕分けと試算表の作成
34000×0.02=680
680-90=590
貸倒引当繰入 590 貸倒引当金590 〇
決算整理後残高試算表 ×
34000 売掛金
貸倒引当金 590 → 680
590 貸倒引当金繰入
貸借対照表(資産、資本、負債) ×
売掛金 34000
貸倒引当金 590 →▲680 33320
損益計算書 〇
貸倒引当金繰入 590
本番は貸引きあまりの問題が出題される
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