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”渇水”を観て

岩切俊作は水道局員である
滞納家庭から徴収する仕事に就く

家庭では妻子と別居していた
問題は岩切の孤独感にあった
幼少期のトラウマが我が子との向き合いに戸惑う

ある日、母子家庭の姉妹と遭遇する
母親は泡銭のため夜鷹となって家庭にもどらない
姉妹はなけなしの小遣いを差し出そうとする
母親に開栓を伝えるよう言伝し、止水するが伝わらない

姉は妹に父はスエズ運河で仕事しているといった
近隣が親切心で両親のことを話すが取り合わない
よき姉であった

水は公園から汲んできた
お金は自動販売機の釣り銭を拾い集めた
やがて公園も断水となる

ひもじさが水を盗み
万引きを働くようになる
それを見つけたのが岩切だった

岩切の心の止栓が開き
溜めていた思いが溢れ出る
子供の蝕んだ心も解放する

姉妹は児童施設に入ることとなった
無垢に見えた妹が姉に言う
お姉ちゃんがいればいいと

不意に岩切も息子に会いにいく
息子は差し出されたひまわりに怯え
岩切に海に誘われるが母親に逃れる

妻からいわれる
今はこのままがいいと

気持ちのすれ違いが時を経つ
そして子供から電話がくる
海へいきたいと

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