公認心理師Gルートに思うこと

まず、界隈みんな落ちついて下さい。
喜び悲しみ憂い妬み排除、忙しい。こんな専門職界隈初めて見た。

大学院までカリキュラムやって受験した人が技術知識的にも人格的にも素晴らしいかは分からないし、Gルート現認者が知識技術が不足していて人格的に問題があるかは分からない。知識は、資格の試験に通ったから担保されてるでしょう。

わたしはGルートで第5回を受験しました。
国家資格化すると騒がれて、第一回の試験に向け、調べたら、わたしには受験資格ないと思ってそのまま経過していた資格。
わたしは多分狭間のカリキュラムで、単位組み替え等で受験資格なし。
母校の臨床心理士コースも、一年間に合わなかった世代。でも、専攻は臨床心理学。
当時は心理職なんて食べていけなくて、それでも心理職を希望するのかと自問して、結果は児童福祉施設の個別対応職員(心理)というかたちで就職。
専門の心理士はいて、その人のサポートと児童指導員を兼務。箱庭療法を施設に導入するときは、心理士が任せてくれて、道具やフィギュアの選定もやった。箱庭療法は演習で1年やった。

演習で選択したのは、箱庭療法、脳波測定、HTP。もちろん心理検査法は普通にあったので他はさらりと。マイナーな星と波テストもやりました。担当教授はロールシャッハが得意だった。
仕事では心理テストばかりやっていたわけでもなく、日常生活で心理的な問題がある子どもの対応、専門機関に繋げる人でした。

その後も種別は変わっても福祉分野のまま、THPの心理相談員を取り、職場のメンタルヘルスの担当。Gルート現認者という受験資格があることをある日知り、移行期間最後の年に滑り込み受験。

公認心理師を取りたかったのは、心理学をやっていた証が欲しかったのかなと思います。転職今更するつもりもない。

世の中のGルート公認心理師に批判がたくさんあるみたいですが、個々に思うことはそれぞれあるでしょう。6年間のうち、カウンセリングに必要な知識だけを効率よく習得、なんちゃらカウンセラーとかの怪しげな民間資格には何を甘いこと、と怒りを覚えるけど、試験で知識は担保されたGルートをなぜそんなに批判するかなあと思う。

ただひとつだけ、個人的な価値観で心理学を教育機関で学ばずにGルートで受験し、心理職を目指す人に心配していることがあります。
わたしは学部で、演習が始まる3年次に「心理学を学ぶことを選んだ人は、大体が気づいてないコンプレックスや問題がある。特に、臨床を選ぶなら、自分自身を客観的に見て、考えて、分析して自分を理解しないといけない。それをしないと、クライエントに引きずられる危険がある。授業を受けて、辛くなったら必ず教授に伝える。学生相談室にも行くこと。忘れないでください」というようなことを言われました。学部で、です。

演習が始まって、箱庭療法で確かに途中で離脱した人がいた。わたしの教授は裁判の心理判定員で、ケースを色々やった時に、連続放火の人のロールシャッハの反応を見て気持ち悪くなり、3日位もやもやした。実習でも、実地で色々学びます。それは実技とかもでしが、姿勢とかモラルとか、そういう部分も多かったと思います。

こういう、ある意味自分を守るための自己分析のような演習授業、スーパーバイズの授業を受けていない人が心理職につくのは、大丈夫かなと思うのです。わたしは箱庭の演習で6回の箱庭を作り,シリーズ通して自己分析したり、ロールシャッハもTATもPFスタディもメジャーな投影法はやって分析したし、何ならみんな授業で知能検査もやります。引きずられてしまう危険性をちゃんと認識できているかどうか、大丈夫かなと思うのです。

コンプレックスや、過去に引っかかっていることに、無意識に固執してしまう可能性もある。何故、自分達がこの分野に惹かれているのかを考えて、自分の過去とか記憶とかを客観的に見て考えた経験があるでしょうか。投影法は、それが出るんです。それを自分で分析するんです。トラウマある人は直面して辛くなる人もいます。それを、現場に出る前に、クライエントに相対する前に経験するんですね。

わたしもありました。授業では勿論色々あったけど、カウンセリングには正直興味なくて、1番好きだったのはプレイセラピーと箱庭。ケースも、子どもが1番興味あった。何故そうだったのかは、自分が作った箱庭の中で明るみに出ました。それを克服するのに1週間くらい、学生相談室、教授にも話して、もやもや気分が段々晴れていきました。惹かれる理由が、わたしにもあったんです。大学と大学院で、これでまず、ふるいにかけられていくと思います。無理だと思ったら、一般職に行きます。

人の無意識に潜んでいるものを明るみに引き摺り出して、相対させるのが心理療法なんです。目に見えないけど、その技術、何をやってはいけないかの知識,精神力を備えての専門職。

Gルート現認者で資格を取った人が、今まで心理検査やったことがあるのかどうかなんて事より、自己分析が出来ているか、限界を知っているか、それらを意識することが重要であると知らないほうが、よほど怖いと思います。

教育機関で学んだ経験がないGルート公認心理師の方が、スーパーバイザーを見つけて、自己分析の機会をたくさん得るといいなと思います。知識や技術でなく、大学院卒との1番の違いはそこじゃないかとわたしは思うんです。自分を分析しておかないと、現場で自分が辛いことになる可能性がある。現場で潰れてしまうなんて辛いことが少なくなるよう、この部分のサポートが職能団体でしっかりできることを期待します。

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