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おばあちゃんのおにぎり


主人のおばあちゃんは優しくて笑顔が可愛くて、猫に好かれる人だった。

長野の冬は寒いから来なくていい

『元気でいるんだよ』といつもみんなの心配をしてくれる人だった。

お料理が上手で、私が主人と子供と帰省すると、

『つむぎちゃん好きでしょ?沢山食べなさいね』

と、煮物やお漬物を目の前いっぱいに出してくれた。

『帰りは高速のパーキングで食べなさい』

って、いつもおにぎりを持たせてくれた。

おばあちゃんのおにぎりは誰にも真似できない、
とても美味しいおにぎりだった。

フライパンで塩を焼き、その焼塩をおにぎりに使っていた。
梅干しや昆布など中身を入れなくても海苔とご飯と塩だけで、十分美味しいおにぎりだった。

おばあちゃんの人柄を映し出すようなおにぎりだった。

また、おばあちゃんのおにぎりが食べたいねと家族と話した。

けれど、おばあちゃんはもういない。

おじいちゃんのいる天国へ行ってしまったから。

おばあちゃんを思い出す時、いつもおにぎりを思い出す。

何年経っても色褪せない思い出だ。



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