見出し画像

【『専門家』になろう!】VMD担当者の皆さまへ


VMDをやり始めると『このままVMDを続けて大丈夫なの?』『皆と一緒の方向へ進んだ方がいいんじゃないの?』といったような不安を感じた事はないですか?私はVMD業務を初めてまもなく『楽しい!』と思えた反面、漠然とした言いようのない不安を感じたことがあります。
でも、今となってはそれも肥やしだったな〜、と思えます。
今回はそんな経験から『専門家になろう!』というお話です。


【得意な事は何ですか?】

販売員が中心業務でまだ本気でVMDを目指していない頃、興味本位で参加したVMD講習の講師に『仕事において自身の得意分野が活かされてますか?』と問われ、何をどう答えたら良いのかよく分かりませんでした。(この問いに即答出来た方はこれから話する内容は不必要かもしれません!)

アタマの整理として講師の問いを『仕事で自分の得意分野が活きる』=『組織内での自分の価値』と変換はできたものの、私が組織内で認められる要素が何なのか見当もつきませんでした。

なのでいっそのこと『信用できる人から私の評価してもらおう!』と思ったのです。お店のお客さまの反応と、同僚や上司や友達からの生の意見を聞こうと。

まずはお客さまの反応。ディスプレイの反応の有無は分かりやすい。自分がディスプレイで表現したいことをするのではなく、あくまでお客さま視点。ダメなら変える。よければさらに続ける。

さらに『信用できる人』からの意見。良悪の意見を共に聞く。特に耳の痛い意見が良い。聞きたくないと思いがちですが、今まで気付かなかったことを教えてもらっていると思うと本当に素直に受け止められるようになりました。

その結果、店の運営ではなく、管理でもなく、仕入れでもなく、『売り方を考える事』が私の得意なことと判明。それが仕事において得意分野であり、認めてもらえる目標だということが明確になったのです。


【大多数と少数】

系列店の店長候補の同僚達とは仲が良く、それぞれの店が終わると自然と集まりワイワイと何気ない話をよくしたものです。でもすぐに売上や仕入れ、商品移動やマネージメントといった店長視点のマジメな運営話に。

すでにその時、一人で3店舗のVMDを中心に業務をしていた私は、大多数の中の少数という立場なのでそういった運営話に入れず例えようのない疎外感を感じたことを覚えています。

しかし、そこは自分の得意な『売り方を考える事』をし続ける為には、同僚達の仕入れや運営話を聞くことは今の店の状況把握としてすごく大切な情報だととらえるともっと聞きたくなり、疎外感なんて一切無くなりました。ほんと、アタマの切り替えって大事なんですね~。


【マイノリティ(少数派)こそチャンスあり!】

すべき業務が明確になればそれに向かって進むだけ!
まずは自分の仕事内容においてはお店で1番になること。次にブランドで1番、次いで事業部で1番、最後は会社で1番を目指す。そして最終的には社外で必要とされるVMD専門家になろうと決心し突き進みました。

同僚たちは、販売員→店長→何らかのセクション長→ブランド長といった『責任者への道』に進み、役職がぐんぐん上がっていったのですが、VMDの役職が出来たばかりなので評価が難しく『同僚のついでになんとなく…』で少しずつしか役職が上がらない。

しかし、同僚の出世を横目に見てみてヘコむことはなかったのです。
なぜかと言うと、会社組織の中で『責任者への道』に進む社員がほとんどで社内に競争相手となるライバルが多く戦うフィールドが広い。それに対して私は社内の中でも競争相手が少なく、かつフィールドが狭いので目的達成が早い。これこそが『狭いフィールドで戦う』という専門職のメリット

VMDというマイノリティ(少数派)で生きていくと決めたので、同僚と違うフィールドだから人と比べる必要が全くなくなったのです。

あとで知ったのですが『BASiCS分析』を紹介していたネット記事にも同じような内容が書かれていたのを読み、私の考えは間違いではなかったことが改めて知ることができました。
※昔、その内容をまとめた書類があるので、お時間があればお目通し下さい!


【将来のビジョン】

しかしその頃の私は、まだ具体的な将来ビジョンまでは持てておらず日々必死に仕事をこなしている駆け出しのVMD。

そんな時、運命的な出会いがありました。後に私の心の恩師となるその方はアーティストのかたわら、全国に展開しているあるブランドのVMDのトップや内装プロデュースなど『売り方』全般を任されているすごい人!

その方から色々な話をしてもらった中で忘れられないのが『とにかく楽しく仕事をしなさい』という言葉。よし、今よりもっと楽しく仕事をしよう。この人を目指そう。そしてこの人のようになろう。それが自分にとって1番分かりやすい具体的な近道なんだと感じました。



【知識という武器を持とう!】

では『楽しく仕事をする』為にはどうしたらいいのか?!

『お客さまに入ってもらいいっぱい買ってもらう』という売り方の理屈は分かっているものの、私の仕事の質は心の恩師に比べると『専門家』としてはまだまだ全然程遠い状態。なので認められるためにまず専門家としての知識を得なくては!と思い、以下のことに取り組んでいきました。

・VMDセミナーを受け講師よりディプレイ技術を取得
・グラフィッカーさんからパソコン技術を享受
・他店のPOPリサーチと研究
・店内備品をメーカーさんと共同開発
・SV(スーパーバイザー)と議論の上、店運営に必要なVMDマニュアルを作成
・SVと共に店長へのVMD教育と指導
・設計者さんとお客さま満足度の高い内装の空間づくり
  などなど…

色々と日々動いているうちにスキルの高いそれぞれの『専門家』と出会い、助けられながら今に至ります。

そういった人たちと仕事をさせてもらって分かったことは、『専門家』とは専門知識(スキル)を武器とし、その内容を人に分かりやすく伝える(プレゼン)ことができる人だということ。そして共通して言えるのは、全員が仕事を楽しんでいるのです。

これこそが昔私が目標にしていた将来ビジョンの『楽しく仕事をする』そのもの。

振り返ると会社員として入社から現在まで全てが『専門家』になる為の勉強をお給料を頂きながらさせてもらっていたんだなぁ、とつくづく思うのです。ほんとに有り難いお話です。

そして今、『仕事において自身の得意分野が活かされてますか?』と問われると、こう答えます。

『もちろんです。得意分野の専門家ですから』と。

今まで小売業で勉強させてもらった事を今度は恩返しする時が来ました。(多分、その昔心の恩師も同じ気持ちだったのかも…)

そして今まで私が経験したディスプレイやVMDやグラフィックやお店の備品作りやマニュアルや店運営や空間プロデュースなどの業務に関して、困っている方々のお力に少しでもなれるよう、これからもブログをアップしていきたいと思っていますので引き続き宜しくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?