「新しい」って何だ?2
オヤジブログ怪気炎 vol.250
ボクは日本の伝統楽器とされている薩摩琵琶を弾いています。琵琶と言えば、正倉院の宝物や平家物語や、耳なし芳一を思い浮かべる方々が多いのですが、周囲の方と話している範囲では実際に生演奏を聴いたことがある人はほとんどいないのです。また聴いたことがあっても「一度聴いたからいいや」と琵琶の世界に再接近してこないのです。
聴いたことがない人が多いのは、マネジメントの課題で、演奏者側からの発信が足りないと感じています。聴いてみたくてもどこへ行けばいいのかわからない人は大勢いるのです。
問題は「一度聴いたからいいや」の方々で、もう一度聴いてみたいと気持ちが動かないのはなぜでしょう。語りの魅力、音色の魅力、弾法の魅力・・琵琶楽には様々な魅力が詰まっていますが、津軽三味線のようにブレイクしないのはなぜでしょう。
薩摩琵琶が原則独奏で、他の和楽器や歌い手とのコラボレーションを試みてこなかったツケは溜まっていて、武満徹が琵琶と尺八のコラボに目をつけたからこそノヴェンバーステップスがウケたわけですし、鶴田派も起こったわけですよね。
ボクなりに「新しい」表現の可能性を模索しながら、薩摩琵琶を弾き続けていきたいと思います。