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日本語の発声を考える②「君が代」

オヤジブログ怪気炎 vol.128

薩摩琵琶を習い始めてから気づいたことなのですが「蓬莱山」という室町時代から演奏されているて、その曲の中に「君が代」の歌詞が出てくるのです! 幕末になり日本に国歌をつくろうと考えた大山巌が、この「蓬莱山」の歌詞が大好きでして、「君が代」の歌詞ができたのですね。
曲の方は、林廣守が作曲者です。彼は宮内庁雅楽部の人でして「君が代」の旋律が、西洋音階ではなく、日本の伝統的な旋法にも当てはまらない。それは奥好義と林広季のつくった旋律を林廣守が選んだとされており、ドイツ人軍楽教師エッケルトも関わっているらしい複雑な作曲過程と関係していると思われます。
ところでスポーツの国際大会があると、開会式に国歌斉唱コーナーが有名な歌手が登場して独唱するのですが、失礼ながら上手く歌えていないケースが多い。せめて一つの言葉である「さざれ石」はノンブレスで歌ってほしい。
私が思うに、初めのレの音を身体全体。特に声帯の下を響かせるように歌い始めて、骨太に歌ってみてはどうだろうか? 男声で言えばこの曲はベース向きでその音質で一気に歌い通すといい感じが出ると思うのです。
さらに言えば、前回もふれた日本の伝統的な唱法を加味して歌うとどんな表現になるでしょう。確立された歌い方・発声方が見当たらないからこそ様々な試みがなされてよいと思うのです。

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