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受動態の音取り

オヤジブログ怪気炎 vol.36

49年前、とある大学のグリークラブに入ったボクは、バリトンに所属することになった。パート練習では、パートリーダーが弾いてくれる鍵盤ハーモニカや足踏みオルガンに合わせて、パートの旋律を歌えるようにするのだが、そのグリークラブでは移動ドで音を取っていた。器楽ではなく声でハーモニーを生み出すのだから正しい方法だったと今でも思う。転調のたびに読み替えるのが少し厄介だったけれど。49年後の今も役立っている。
さて今は、インターネットや音源ソフトが開発されて、手軽に音源を製作できるようになり、メンバーに配信することもできる。しかしながら、これはあくまでも「元」になる音の高さとリズムを捉えるためのアイテムで、実際には練習会場で声を合わせながら、ハーモニーと曲に合った表現をつくっていかなければならない。
さらにこれは受け身の、受動態の音取り法であり、本来は主体的に「これで大丈夫」という音を、自分自身で鍵盤を叩いたり、移動ドで読んだりして、見つけるべきなのだと思います。

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