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童謡「赤い靴」の話

オヤジブログ怪気炎 vol.29

長いこと横浜に住んでいます。港横浜を舞台にした歌は数多いのですが、童謡に限定すれば「赤い靴」がその筆頭格でしょう。野口雨情作詞 本居長世作曲により発表されたのが、1922年ですから、100年余りに渡って親しまれている名曲です。
「異人さんに連れられて」が違和感満載ですが、もちろん拉致された訳ではなく、宣教師夫妻に引き取られてアメリカに渡ったと思い込んでいる母親の話が、下敷きになっているので異人さんとは宣教師なのです。しかも実際にはアメリカには行かないで東京の孤児院で幼くして亡くなった女の子の話なのです。
もっとすごいのは「今では青い目になっちゃって」。100年後の今はレーザー手術で青い目に変わることが可能らしいのですが、異人さんの国に行っても目の色が変わるはずはない。ボクの推測だけど、おそらくは日本より自由の国と見られていたアメリカに渡ることで、心が変化することを雨情が目の色に例えているのではなかろうか?
発表は1922年(大正11年)だから関東大震災の前。横浜港には大震災の瓦礫で作られた山下公園はまだない。もちろんベイブリッジやランドマークタワーもない。今の大桟橋の場所には、規模は小さいがすでに鉄製の桟橋があったらしい。赤い靴の物語はそこから船でアメリカに渡っていった女の子の話なのだ。
歌を通して、当時の人々が外国人=異人さん! に対して抱いていた想いと現在の国際感覚は、ずいぶん違ってきたなぁと感じます。

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