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タケさん童話 すぐれた人

オヤジブログ怪気炎 vol.89

A男 ボクは知力が優れて、身体能力が高いエリートだ。

将来、同じように知力に優れて、身体能力が高い人と結婚して、優秀な子どもを残すつもりさ。

B男 君は頭が良くて運動神経も抜群で羨ましいな。ボクにはそんな能力はないから、どこかボクなりに自分らしく生活できるところを探しに旅に出ようと思っているんだ。この国のことは、君の子孫が守ってくれるだろうからね。

A男 まぁ、任せてくれよ。


やがて数百年が過ぎた。A男の子孫は何をしているだろう?

あれっ、見当たらない!

統治機構のトップにも企業のリーダーにも、A男の子孫はいなかった。

A男の一族は、優秀な家系・血統にこだわり過ぎた結果、婚姻相手にこだわり、結果出生数が減少して途絶えてしまったようなのだ。

B男の子孫は、祖先の土地に戻ってきて活躍していた。

世界各地で多くの体験を積んだB男は、その土地で愛する人と結ばれ、子孫を残した。その子孫もまた世界各地に旅立ち、B男の子孫は世界各地で活躍していた。

そのうちの何人かが、自分たちの祖先が住んでいた土地に戻ってきたのだ。

子孫B1  このB男というご先祖様は、A男に対して劣等感を持っていたのかな? 

子孫B2  昔、人の能力を紙のテストで計測していた時代の話だろう。偏差値とか言って人の点数を比べていたらしい。

子孫B1  ずいぶん不自由な時代があったんだね。

子孫B2  人との違いをすぐに差別や区別に結びつけようとする傾向は、まだなくなってはいないから、気をつけないといけないね。

遠い遠い未来のお話でした。

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