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上海にヘラシギを探しに行った話③



上海はシギチだけじゃなくて森の鳥も面白かったです。

ちょっとした林で渡りの小鳥もみました。
ガイドのリンさんが「ダークサイドフライキャッチャー」
を連発するので、いつのまにか私は心の中で彼を密かに「マスター」と呼ぶように。
サメビタキちょうど大量に移動中でした

そして、ホオジロ系の小鳥が「チッ」と鳴いて草むらに入るのを見た刹那一言
「Yellow-breasted bunting 」
と言ってすたすた歩き出すというまさにプロのガイド。

待ってマスター・・・
ごめん。ちゃんと見たい。
(シマアオジだ!)

カオジロダルマエナガというこの辺でしか見れない、
思ってたんと違う鳥を見せてもらったり
(ダルマエナガっていうから韓国で見た超絶可愛い子みたいなのかと。
カオジロだからシマエナガ的な?全然違った)

ぜんぜんかわいくないカオジロダルマエナガ 葦原にいたから写真はない


日本で見られる鳥もいましたし、大陸でしか見れない鳥もいました。

モズの高鳴きの季節だったのでしょう、
至る所でタカサゴモズがギュイギュイ鳴いてました。
タカサゴモズという和名が出て来ず、
投げやりになった私は「ギュイギュイモズ」と呼んでました。

あと、シマアジがめちゃくちゃいて池に1300羽とかいるので
もう一生分のシマアジを見た気になり、
日本で見てももうそんなに反応しなくなった。

シマアジがめっちゃいる


条子泥湿地どのくらいすごいところなのかというと、

・干潟の果てが見えない
・細かい砂質の干潟。有明海みたいに沈まないので観察には適してる。
歩けるって素晴らしい
・でも干潟をお散歩する人とかたくさんいるのでシギチの群れは飛ばされがち
・秋はヘラシギが数十羽見れる。
ここで換羽のため2か月滞在。世界最大のヘラシギの中継地
・カラフトアオアシシギは最大1200羽。ほぼ生息数の100%
・ミヤコドリ10.000羽。生息数の半分くらいいる
・ズグロカモメ10.000羽。こちらも生息数の半分くらい

干潟広すぎて果てが見えない


自分の淡い期待としては、とりあえず一度行ってみて、
次回行くときは自力で行けるんではないかと。

その当時は春秋航空の佐賀→上海便が飛んでましたし、
(2023年10月現在また再開しました❗️)
佐賀と上海、意外と近いからまたちょくちょく来たいなと思ったのですが、
ちょっと甘かった。

まず、上海の浦東空港から条子泥湿地まで遠い。180キロ。公共交通機関がない。
というかあるんだろうけどよくわかんない。
まあ、国内だったら車で行けないことないのですが、
中国で車を運転するとか絶対無理です。

上海から現地まで近そうでしょう?
いやこれ車で4時間かかる距離なんです。揚子江広すぎ。


実際ツアー中は片道4時間かけて車で移動。
途中、揚子江を渡るのですが、ここにかかる橋が最近できたらしく
混んでるときは「渡り切るまで2時間かかったこともあるよ。はは」って・・・
渋滞激しいなあ中国。

そして、今回泊まった現地に一番近いと思われるホテルと干潟が遠く徒歩では無理なので結局車が必要・・・。
滞在ホテルはリンクス ゴルフ&スパ。
中庭にプールがあり、夜一人で泳いだのがいい思い出。
バカでかくていいホテル。

貝で作った巨大なヘラシギモニュメント。ここ、泊まったホテルの庭先です。
奥のお城みたいなのがホテル。干拓地で周りに何にもないとこにいきなりホテル。


食べ物は何でもおいしく頂き、特に昼ごはんに食べた刀削麺が美味しかった。
おじさんが小麦粉の塊を包丁で削いでお湯で茹でるその様子が珍しくずっと見ていたかった。(潮の時間が迫っているから早く食べて~と言われてゆっくり見物できなかったのが残念)
私はだいたいどこに行っても現地の食べ物で合わないということはないのでその辺助かる。お腹も壊さないタイプ。

大きな小麦粉の塊を包丁で削いで作る麺が美味


そして、現地の人に間違えられて中国語でよく話しかけられる。
韓国に行った時も現地の人だと思われてハングルで接客されたりした。
あんまり日本人がいないところで一人でフラフラしてるからだろうと思う。

漁港近くのレストランで黄海でとれたお魚も見たのですが、なんというか濁った海に暮らしてるんだろうなといった感じのでろでろしたお魚が多く、有明海を感じる。
親近感。端的に言うとあんま美味しそうでない。
たまたまそういう魚だけ見たのかもしれませんが。
でもお魚料理はおいしかったですよ。

有明海にいそうなでろでろした魚


今回プレツアーということで、本番のエコツアーが待たれるところですが、
コロナのこともあるし、しばらく訪問は難しいと思っています。

まあ私はホームグラウンド有明海で自分にできることを地道にやっていきたいと思っていますが、近年のシギチの減少は本当に杞憂しかなく、
ロシア・中国・韓国・日本・台湾・タイ・ミャンマー・インドネシア・オーストラリアなどなどのシギ・チドリたちが行き来する渡りのルート
(東アジア・オーストラリア地域フライウェイと言います)でのみんなとの協力が大事なんだなと実感しています。

風が強すぎた上海より愛を込めて


ひとつの国が湿地保全をシャカリキに頑張ったって、
他の国の湿地がなくなったらシギチは終わりなので...

そういう共通認識をもっと広く人々に伝えていけたらいいなと思います。

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