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障害児の親の就労率&ケアと仕事の両立(私の実体験)

 障害児の母親の就労率と、障害児ケアと仕事を両立しようとした私の実体験です。先に断っておくと、両立は途中で頓挫しました。それでも、この経験談が同じ悩みを持つ誰かの気持ちに寄り添い、共感し、前に進むきっかけになればと思います。

注意
①ネットで調べた内容です。丁寧に読んだつもりですが、もし間違いがあれば、ご指摘いただければ幸いです。読んだ記事がこちらです。https://www.yomiuri.co.jp/life/kosodate/20220208-OYT8T50109/

https://career-research.mynavi.jp/column/20220509_25605/

②読んだ記事が母親の就労について書いたものであるため、本投稿でもそうしております。

では本題です。


明らかに低い就労率

18歳未満の子を育てる母親の就労率

  • 全体では70%

  • 障害児の母親に限ると50%であり、この差は明らかに低いといえます。

子が成長しても働けない

  • 通常は子の年齢が上がるにつれて就労率は上昇。例えば1歳では60%だったのが、15~17歳では80%になります。子どもに手がかからなくなってきたので働きだすということでしょう。

  • 一方、障害児の母親は子が成長しても50%のままです。子が成長してもケアが必要なため働けないという現状がうかがえます。

なぜ問題なのか

  • まずは働きたいのに働けない人がいること自体が問題です

  • 次に低収入の問題です。所得550万円未満の世帯の割合は、

    • 全体では35%

    • 障害児のいる世帯では54%

 共働きが主流の時代に、障害児の母親は働けない・働けても短時間のパートやアルバイトに限られることが原因と考えられます。
 低収入は低年金・将来の貧困へとつながります。

働けない原因(私の経験をふまえて)

 原因についての調査結果は、先述のリンク先に詳しく述べられています。本投稿では私の実体験をお話しします。そのため、未就学児(小学校入学前、2~6歳)を想定した内容です。さらに、あくまで私の住む自治体の場合です。

自治体の療育園

平日10-15時、しかも親子通園型なので仕事との両立は非常に困難です。

民間の療育

 まず、土日・平日16時以降の枠は争奪戦です。大手の療育(リタリコ・ハビー・コペルなど)に問い合わせたところ、土日・平日16時以降の枠は5月時点ですべて埋まっており、次の4月まで無理とのことでした。要するに現在利用している年長児が卒業するまで待つということです。
 さらに、多くの療育において「送迎なし・支援は45分間」です。小学生以上の放課後等デイサービスであれば、「放課後に学校にお迎え、支援をして18時に家まで送迎」というところあります。しかし、私の住む地域では未就学児を送迎する療育は、ほぼありませんでした。

 例えば、運よく平日16時の枠が取れたとします。するとこんな生活が待っています。

15:00 会社を早退
15:30 保育園お迎え&療育に送迎
16:00 療育開始
16:45 支援終了。親へのフィードバックを聞く
17:00 療育を出る

 毎週早退することで同僚に迷惑をかけることも出てきますし、早退した分は他の日に残業しなければなりません。こうしてジワジワと働きづらくなっていきます。

 また、正直に言って週に1回45分間の療育をしたからといって、子どもの成長を実感できるわけではありません「この子のためにはもっと療育を増やしてあげた方がいいのか?でもこれ以上早退なんて…」と悩む人は多いでしょう。

次は私が行った試行錯誤についてです。

失敗に終わった試行錯誤

送迎の外注を試みる

 先の例では15:00に早退していました。しかし、保育園から療育への送迎を外注できた場合、16:15ごろの早退でOKとなります。

①移動支援(障害者向けのサービス)
 自治体に問い合わせてみましたが、そもそも定期的な通学には使えないサービス(親の病気などの緊急時のみ可能)である、中学生未満の利用者の前例がないと断られました。

②ファミリーサポート(子育て中の誰でも使えるサービス)
 私は引っ越しをしたので自治体AとBの2つの例を紹介します。
 自治体Aではサポーターの自転車や車での送迎は不可でした。徒歩・電車・バス・タクシー送迎のみ可能です。保育園から療育までは自転車で10分の距離だったのですが、子連れで歩くと25分。バス路線はありません。毎回ファミサポ代とタクシー代を出すと2500円近く。悩んでいる間に引っ越しが決まり、自治体Bに転居しました。
 自治体Bの場合は自転車や車での送迎が可能でした。しかし、登録の際に長男の障害を伝えると難色を示され、一度見せてほしいといわれました。運の悪いことに、様子を見せた日に長男の機嫌が悪く、部屋を出たがってグズりました。その様子を見て、ファミサポの登録自体を断られました。
 ただし、移動支援もファミサポも、ルールは自治体によって様々なので、この体験談を見て無理そうだと思って諦めないでください。私が伝えたいのは、公共サービスの活用を前のめりで取りに行くということです。少しでも気持ちよく働き続けるために。

次男妊娠により休職・退職

 そうこうしているうちに次男の産休に入り、仕事との両立問題は棚上げとなりました。さらに夫の転勤が決まり、家族で引っ越すことにしたため、結局私は育休中に仕事を辞めました。

ケアと仕事との両立

 私は、障害児ケアと仕事の両立という戦いから脱落しました。
 しかし、「勤労」は国民の三大義務の一つです。障害児を生んだからといって、なぜこんなにも働くことに悩み・苦労せねばならないのか、悔しくてなりません。
 戦いから脱落した私が言うのもおかしいのですが、今、障害児ケアとの両立に悩んでいる方に、私からの思いを書いて終わりにしたいと思います。

障害児を育てながら働くあなたへ

 まず、障害児がいるのに働くことは決して自己中でも贅沢でもないと心にとめましょう。福祉関係者の中には「今は母子の愛着形成が大切」「お仕事はお子様が小学校に上がってからでも…」なんて平気でいう人がいます。しかし、働くことは国民の義務であり、あなたの権利です。辞めないことを前提に考えましょう。同僚に迷惑をかけたって仕方がありません。国の支援が足りないのです。感謝はしても、過度なうしろめたさは必要ありません

 そして、自治体窓口に具体的なニーズを訴えましょう。送迎してくれる福祉サービスはないか、親子分離で長時間みてくれる療育はないか、等です。今はネットで福祉サービスの詳細も調べられてしまうので、文面だけ読んで対象外だと諦める人が多いと聞きます。しかし私は、とにかくニーズを示すことが大切だと思います。福祉サービスの詳細は自治体に委ねられているので、もしかすると柔軟に対応してくれるかもしれません。それでも断られるケースが多いと思うのですが、市民のニーズを訴えたことにはなります。また、断られることで、他のお願いのときに譲歩を引き出しやすくなるかもしません。

 最後に、会社の制度の活用です。私は退職してから知ったのですが、看護休暇や介護休暇が利用できる可能性があります。療育の療は治療の療なので、療育の付き添いを病院の付き添いと捉えて、制度を使えるように交渉してみる価値はあると思います。時間単位で取得して、療育の送迎に利用するという使い方が、会社の判断とはなりますが、できるかもしれません。

 以上です。この程度のことしか言えず、不甲斐ないです。国や自治体に求めることも考えているので、また別の投稿で書きたいと思います。

 私はずっと無職でいる気は毛頭なく、早ければ来年度に再就職の予定です。
 再就職の際の出来事も文章にしてここに公開したいと思います。障害児ケアと仕事の両立で苦しむ人に、寄り添い、共感し、私の経験談が少しでも役に立てたらうれしいです。

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